Published: 2025-06-14 21:23

将棋「叡王戦」最終局 伊藤匠叡王 2連覇でタイトル初防衛

将棋の八大タイトルの1つ「叡王戦」の最終局が千葉県柏市で行われ、伊藤匠 叡王（22）が挑戦者の斎藤慎太郎八段（32）に勝って「叡王戦」2連覇を決めるとともに、タイトルを初めて防衛しました。

「叡王戦」五番勝負はここまで伊藤叡王と斎藤八段がそれぞれ2勝していて、14日の対局で決着します。

最終局は千葉県柏市で行われ、序盤は互いに飛車の前の歩を進めて戦う「相掛かり」の戦型でしたが、後手の伊藤叡王が奪った角を敵陣に打ち込むなど2枚の角を使って強気の攻めを見せます。

一方、斎藤八段は、相手の攻めをしのぎながら、敵陣深くに打ち込んだ飛車を起点に反撃に出ます。

終盤は互いに持ち時間を使い切り、1手を1分未満で指す「1分将棋」となる中、斎藤八段は相手玉を追い詰めますが寄せきれず、午後7時38分、120手までで投了。

伊藤叡王が3勝2敗で、去年に続いて「叡王戦」を制し、タイトルを初めて防衛しました。

一方、斎藤八段は、2018年10月の「王座」以来7年ぶりのタイトル獲得を目指しましたが、なりませんでした。 伊藤匠叡王「苦しい時間が長く 防衛の実感ない」 対局後、タイトルを防衛した伊藤匠 叡王は「なかなか駒が使えない展開というか、攻め駒が少ない感じになり、うまく勝負できる手順があればと探していた。苦しい時間帯が長く、タイトル防衛の実感は全くない」と話していました。 斎藤慎太郎八段「五番勝負すべて難しい将棋だった」 一方、敗れた斎藤慎太郎 八段は「終盤で勝ちきれず、大事なところで決めきれなかったという感じで五番勝負すべて難しい将棋だった。よい面もあったとは思うが、終盤のミスみたいな手が結構、思い浮かぶので、そこが反省点だと思う」と話していました。