Published: 2025-09-10 20:30

レクサスLSを買うならラストチャンスかも!? 実は“超”細かな改良を受けていた最新のLS500h “EXECUTIVE”に迫る

熟成を重ねたレクサス「LS500h “EXECUTIVE”」に、『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキが乗った。知られざる改良点にも迫る！

【写真を見る】新しいレクサスLS500h “EXECUTIVE”の全貌（17枚）“和”なインテリアにも注目！

最新のLS500h “EXECUTIVE”は、素晴らしい走行性能だった。

全長5.0m超の大型セダンとは思えないほど、意のままにクルマを操れる。乗り心地も素晴らしい。登場当初こそ、フロアに伝わる微振動などが気になったものの、ネガは完全に解消されていた。

特にハンドリングがイイ。ワインディングもひとまわり、ないしはふたまわりコンパクトなセダン並に操れる。しかも、よくチューニングされた足まわりが地面をしっかり掴むから安心感も高い。

レクサスの公式発表では23年の一部改良で、「ラジエーターサポートブレースを追加することでボディ剛性を高め、ドライバーの操舵に対する応答性を向上させ、優れた操縦安定性を実現」、「操舵および旋回時に発生する荷重や路面からの入力を支えるフロント、リヤサスペンションなどの締結において、締結工程を高精度化することで締結トルクを高め、締結部位のより高い剛性と、上質な乗り心地の向上に寄与」と、記されている。

しかし筆者は、上記改良が施された直後のLSにも乗ったが、その試乗車よりも完成度が高い。

レクサスの広報に訊くと、意外な回答があった。

「下山（Toyota Technical Center Shimoyama）の味磨き活動で得た、リヤ後端へのブレース追加により、走りの味が進化しております」

オフィシャルな発表こそなかったものの、着実に進化を遂げていたのだ。登場から約8年を経ても魅力が褪せないのは、レクサスの“努力”だ。

V6エンジンと2基のモーターで構成するレクサス・ハイブリッド・システムに変速機構を直列に配置したマルチステージハイブリッドシステムは、相変わらずパワフルだ。エンジン始動時も、不快な振動はナシ。かつては、“ブルっ”と震えるような場面もあったが、解決されていた。燃費も良好で、リッターあたり10km以上は楽勝だ。

リヤシートは、相変わらず快適。試乗車は、22Way調整式リヤパワーシート/電動オットマン/プリセットポジションを装備。助手席シートスライドにより、最大約1020mmのゆとりあるレッグスペースが嬉しい。しかも、後左席にはプリセットポジションを設定。リラックスモードを選ぶと、最大限リラックスした姿勢で休めるよう、助手席と後左席が目一杯倒れる。

リクライニング角度や後席まわりの装備だとレクサス「LM」の方が、上かもしれない。が、静粛性はLSが上。かつ、コーナリングはLSの方が安定しているので、身体が揺さぶられにくい。LSとLM、どちらを選ぶか悩ましい。

LSは次期モデルが未定。現行モデル限りという噂もある。レクサスのフラッグシップセダンを買うならラストチャンスだ。

もっとも、トヨタ「クラウン」のセダンも豊田章男会長が「セダンも考えてみないか？」のひと声で再開発が決まっただけに、LSもまだわからない。

レクサス・ヒストリーの始祖であるLSの未来がどうなるか大いに気になる。