Published: 2024-12-03 19:43

衆議院 代表質問2日目 政治とカネの問題めぐり論戦

国会では、衆議院で石破総理大臣の所信表明演説に対する2日目の代表質問が行われました。
政治とカネの問題をめぐり野党側が真相究明や説明を改めて求めたのに対し、石破総理大臣は自民党として可能なかぎり調査を行い、結果を説明してきたとした上で再発防止に向けて必要な法整備を目指す考えを重ねて示しました。

立民 小川幹事長「『裏金づくり』改めて再調査と説明を」 立憲民主党の小川幹事長は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「『裏金づくり』は、いつ、誰が始め、どのような経緯だったのか。結局、真相解明がないことが最大にして、根本的な問題だ。改めて徹底した再調査と国民への説明責任を果たすことを要求する」と迫りました。 これに対し石破総理大臣は「自民党でも、可能なかぎりの調査を行い、結果を国民に説明してきた。さらに、おのおのが説明責任を果たすよう促してきた。大切なことは、2度とこのような事態を繰り返さないことで、政策活動費の廃止をはじめ、政治資金規正法の再改正を含めた必要な法整備に尽力していく」と述べました。 維新 前原共同代表「旧文通費見直し 今国会でやりきると明言を」 日本維新の会の前原共同代表は旧文通費、現在の『調査研究広報滞在費』の見直しについて「これ以上の先送りは絶対に許されない。前の通常国会での『改革をやり遂げる』というわが党と自民党との合意はまだ生きていると考えているか。今国会でやりきると明言してほしい」とただしました。 これに対し石破総理大臣は「ことし5月に岸田前総理大臣と日本維新の会の馬場前代表との間で使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずることについて文書で合意が交わされており、私も引き継いでいる。すでに衆参の協議会で議論されているが、年内に必要な法整備が図られるよう誠心誠意尽力する」と述べました。 公明 斉藤代表「大規模災害に備え 避難所環境の大幅改善を」 公明党の斉藤代表は防災対策をめぐり「大規模災害に備え、避難所の環境の大幅改善が必要だ。体育館のエアコン設置は、まだ2割弱で、設置を急がねばならない。省庁の縦割りではなく『防災庁設置準備室』が連携して横断的に着実に進めていくべきだ」と指摘しました。 これに対し石破総理大臣は「避難所となる公立小中学校の体育館への空調設備については、新たに臨時特例交付金を創設し整備のペースを2倍に加速する。『防災庁』の設置に向けた準備も着実に進めつつ、関係省庁などが緊密に連携し、縦割りを排除し、避難所の環境改善をはじめとする防災対策を強力に進めていく」と述べました。 れいわ 山川国対委員長「沖縄振興 以前の水準に戻し上乗せを」 れいわ新選組の山川国会対策委員長は沖縄振興をめぐり「沖縄では、さまざまな貧困格差が生じているが、沖縄振興予算は、ここ3年、3000億円を下回っており、最低でも以前の水準の3000億円台に戻した上で上乗せする措置をとってほしい」と求めました。

これに対し石破総理大臣は「沖縄振興予算は厳しい財政状況のもと毎年度、必要な予算を積み上げて決定している。来年度も必要な予算を確保して経済効果を十分に県内に波及させ、それを実感していただけるよう沖縄経済の強化に向けて支援を継続する」と述べました。 共産 田村委員長「政治資金パーティー 企業・団体献金 禁止を」 共産党の田村委員長は、政治とカネの問題をめぐり「『裏金』は、政治資金パーティーで企業から巨額のカネを集めて作られた。抜本的な再発防止策は、政治資金パーティーを抜け道とした企業・団体献金をきっぱりと禁止することだ。企業が多額の献金で政治に関与することは国民の政治参加の権利や選挙権を侵害するものではないか」とただしました。

これに対し石破総理大臣は「最高裁判決では、会社による政党への寄付は国民の選挙権の行使に直接影響を及ぼすものではないなどとされている。他方、企業・団体献金を含む政治資金について高い透明性を確保することは重要だ。自民党としては、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築に取り組む方針で、これにより透明性が飛躍的に高まる」と述べました。 このほか、石破総理大臣は、先の衆議院選挙で自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を支給したことをめぐり「支給通知書に党勢拡大のための活動費であることを明記しており、選挙運動に使われることはないことから『裏公認料』や『事実上の選挙資金』という指摘はあたらない」と述べました。

また、先の衆議院選挙で「政策活動費」を支出したのかと問われたのに対し「『政策活動費』は現在、合法なものだが、使い方は抑制的でなければならないと考えていたところで選挙運動のための政策活動費の支出は行っていないと認識している」と述べました。