Published: 2025-06-13 05:21

関税見直し向け貿易赤字削減提案もさらなる調整 閣僚交渉継続

アメリカの関税措置を受けた日米交渉で、政府はこれまでに、自動車や鉄鋼の分野に巨額の投資を行うことや輸入の拡大などによって、アメリカの貿易赤字を削減する道筋を提案しています。関税の見直しにあたってはさらなる調整が必要だとして閣僚交渉を続け、合意につなげたい考えです。

アメリカ・トランプ政権の関税措置をめぐり、石破総理大臣は、12日与野党の党首会談で交渉の進ちょく状況を説明しました。

そして「G7サミットでトランプ大統領に会うまでに一定の前進があればよいが、日米双方にとって利益となる合意を実現することが重要だ。早期の合意を優先するあまり日本の国益を損なうことはない」と述べました。

政府は来週カナダで開かれるG7サミット＝主要7か国首脳会議にあわせた日米首脳会談で一定の合意を得ることを視野に交渉を進めていて、これを前に赤澤経済再生担当大臣がきょうワシントンに向けて出発し現地で閣僚交渉を行いたいとしています。

政府関係者によりますと日本側はこれまでに、自動車や鉄鋼、造船などの分野に巨額の投資を行うとする「ゴールデン・インベストメント・プラン」や大豆などの農産物、アメリカ車、LNG＝液化天然ガスなどの輸入拡大、それにアメリカ側が「非関税障壁」だと指摘する制度の見直しなどを実施することで、トランプ大統領が求める貿易赤字の削減を進めていく道筋を提案し、理解を求めているということです。

ただ、関税の見直しにあたってはアメリカ側とさらなる調整が必要だとしていて、サミット直前まで閣僚交渉を続け、合意につなげたい考えです。