Published: 2025-01-12 10:02

“ミスターGT-R”がこだわりまくったR32型日産スカイラインGT-Rがスゴかった!!! こだわりまくった伝説の1台に迫る

2025年1月10日から開催された「東京オートサロン2025」（千葉県・幕張メッセ）では、日産ブランドアンバサダーを務める“ミスターGT-R”こと、田村宏志の愛車「スカイラインGt-R（R32型）」が今年も展示された。こだわりが詰まった1台に迫る！

【写真を見る】ワンオーナーのR32型日産スカイラインGT-Rのこだわりをチェック（12枚）

“ミスターGT-R”として国内がで名が知られている、日産自動車の田村宏志。ファンにはたまらない展示が、「クルウチ」ブース内に飾られた田村宏志の所有車、スカイラインGT-R(BNR32型)だ。

東京オートサロン2025では、24年2月、クルウチが同社の本拠地である三重・明和町に開設した 「田村宏志ミュージアム」の文字も大きく掲げられ、GT-Rファンなら一度は観たいと願う、 田村所有の1989年型BNR32が展示されたのだ。

「クルウチ」は岐阜・明和町で、クルマの販売からカスタマイズまで手がけるショップ。スポ ーツGTへのこだわりが強いことでファンも多い。クルウチの久留内良彦代表取締役社長と、GT-Rのチーフ・プロダクト・スペシャリストを務めていた田村との出合いから、これまでいくつものイベントが開催されてきたのも、ファンにはよく知られている。

田村宏志ミュージアムには、田村が携わった12台の日産車(オーテック含む)が置かれると いう。「オーテック・ザガート・ステルビオ」をはじめ、「スカイラインGT-Rオーテックバー ジョン」やR32、R34、R35といった歴代GT-Rといったモデルだ。

東京オートサロン2025のショーに置かれた田村のBNR32型は1989年式。これがいまにいたるGT-R神話のリスタート点で、バブル経済まっさい中に発表されたときは、ツインターボの直列6気筒エンジンに全輪駆動システムの組合せで、ポルシェ「911」を追い越すようなハイスペック。衝撃的なモデルだった。

田村のGT-Rは、なんでも、デビュー年に予約キャンセルが出て幸運に手に入ったとか。このクルマをストックの状態でじっくり乗り、そしてチューニングをほどこしていった。

外観をよく見ると、大径ブレーキローターが眼をひくぐらいで、ほとんど標準仕様にみえる。車内をのぞいても、エンジンルームを開けても同様だ。しかし実際は“スリーパーコンセプト”と、田村が言うように、見た目は普通。でも、手を入れていないところがない、というほどの凝り方だ。

ひとつひとつここで挙げるのは文字数の制約で無理なので、結果だけ報告。出力は最高で600 psに達したし、スタート地点から400mまで走りきるいわゆるゼロヨン加速は11秒以下。

速度計は、オリジナルのデザイナーに依頼して、300km/hの目盛りを刻んでもらったというから、実に凝っている。

ギヤボックスも換装した同車を計測すると、300km/h越えを達成したという。

「クルマのことばかり話してると、若い人には変な目で見られがちなんですよ」と、田村は ショー会場で苦笑。

「でも、人間のなかにある情熱のはけ口として、クルマを選ぶのは、素晴らしいことだと思ってます。この世のなか、戦争とか銃乱射とか、暴力的な事象も多く発生していますが、クルマは、ネガティブな情熱をポジティブに変えてくれるはずなんです」

新春の田村トークは、クルマ好きにとってまことに的を射たものだと感じられたのだった。