Published: 2025-06-15 03:58

柔道 世界選手権 女子52キロ級 阿部詩が5回目の金メダル

柔道の世界選手権は大会2日目、去年のパリオリンピックで連覇を逃した阿部詩選手が女子52キロ級で金メダルを獲得し、5回目の優勝を果たしました。

ハンガリーのブダペストで行われている柔道の世界選手権大会2日目の14日は、女子52キロ級と男子66キロ級が行われました。

女子52キロ級の阿部詩選手は、東京オリンピックで金メダルを獲得したあと去年のパリオリンピックではメダルを逃していました。

詩選手は準々決勝と準決勝では積極的に攻める姿勢を見せ、いずれも一本勝ちして決勝に進みました。

決勝ではパリオリンピック銀メダリストでコソボのディストリア・クラスニチ選手と対戦し、ポイントが奪えないまま終盤に入りましたが、残り1分を切ったところで一瞬のチャンスを逃さず「背負い投げ」で一本を奪って勝ち、世界選手権では5回目の金メダルを獲得しました。 一方、男子66キロ級に出場した兄の阿部一二三選手は準々決勝でタジキスタンの選手と対戦し「内股すかし」で一本を奪われて敗れました。オリンピック2連覇の一二三選手がこの階級で敗れるのは6年前の2019年以来です。

一二三選手はこのあと、敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦で勝って銅メダルを確保しました。

この階級では、世界選手権2回目の出場の武岡毅選手が、初戦からすべて技でポイントを奪って勝ち進み、決勝では世界ランキング1位のタジキスタンの選手と対戦しました。

武岡選手は終始攻める柔道で開始2分すぎに足技で有効を奪って勝って、世界選手権で初めての金メダルを獲得しました。

女子52キロ級に出場した大森生純選手は3位決定戦で敗れ、メダル獲得はなりませんでした。 阿部詩 決勝の背負い投げ「きれいな形で入れてよかった」 金メダルを獲得した阿部詩選手は兄の一二三選手が敗れたことについて「兄が負けたときに自分は同時に試合をしていて歓声で勝ったと思ったら負けていたが、特に影響を受けずに自分の試合に集中した」と話しました。

金メダルを決めた決勝の背負い投げについては「相手はパワーも強く戦い方も考えてきていたが、きれいな形で入れてよかった」と振り返りました。

一方、一二三選手は「負けたあと気持ちを切らさないことが大切で最後まで戦い抜こうと思っていた。銅メダルを取ると取らないのは違う」と振り返りました。

初めての金メダルを獲得した武岡選手は「正直実感が湧いていない。このあと『おめでとう』とか言われて初めて実感する気がする。去年の世界選手権は決勝で負けていたのでしっかり勝ったことで気持ちが高ぶった」と喜びを語りました。