Published: 2025-02-17 17:53

千葉 四街道市長 約1か月ぶり育休から通常職務に復帰

千葉県四街道市の鈴木陽介市長は、1月から育児を目的とした休暇を取得していましたが、17日、およそ1か月ぶりに通常の職務に復帰しました。

四街道市の鈴木市長は、昨年末に第4子の次女が誕生したことを受けて、1月13日から育児を目的とした休暇を取得していましたが、17日9時ごろ市役所に登庁し、およそ1か月ぶりに通常の職務に復帰しました。

41歳の鈴木市長は、銀行員や県議会議員などを経て3年前の市長選挙で初当選し、その年に第3子の次男が生まれたあとも5日間の「育休」を取得しています。 17日は早速、市の幹部会議に出席し、「皆さんに支えられ、1か月という期間を休むことができた。子どもや家族に向き合えたことで改めて育休の重要性を感じた」とあいさつしました。

そして、庁舎内の各部局を回り、復帰したことを職員に報告するとともに、不在の間の対応に感謝する気持ちを伝えていました。

市によりますと、市の男性職員の育休の取得率は、3年前は2割程度でしたが、最近は8割前後まで大幅に増加したということです。

市長は「特別職」の公務員のため一般職員のような育児休業や勤怠に関する制度はなく、条例で定められた給与の中で働き方を自己判断できる決まりになっています。 鈴木市長「男性の育休取得率100％へ市役所から改革」 鈴木市長は「政治家は自分の生活を捨てないといけないというイメージがあると思うが、市長をしながらでも子育てと両立できると示すことが大事だ。子育ての実感をまちづくりに生かしつつ、男性の育休の取得率が100％になるよう、市役所から改革していきたい」と話していました。 「育休」中 市長の生活は 「育休」を取得した市長の日々の生活はどうだったのか。

「育休」中に鈴木市長の自宅を訪ねました。 市長は、自宅のリビングで生後2か月の次女をだっこしてあやしながら、パソコンと向き合っていました。

行っていたのは、国や県への補助金の申請や工事の発注など、市長の決裁が必要な書類のチェックです。

こうした書類は多い時で1日に15件ほどに上り、内容を確認した上でオンライン上で電子決裁を行っていました。

また、市長が「育休」を取得していた1月から2月は、新年度予算案を編成する重要な時期で、関係する職員とのオンライン会議にも何度か出席していたということです。

そして、パソコンでの作業を終えると次女のおむつの交換も行っていました。

午後になると、市長はスーツに着替えて外出してしまいました。

イベントや会合への出席はできるかぎり副市長などが代理で務めていますが、「育休」が決まる前から入っていた予定や代理での出席が難しいものは、みずから赴くことに決めていたということです。

「育休」中にもかかわらず多くの業務をこなしている市長ですが、通常よりは業務量が大幅に減り、子どもと過ごす時間が確実に増えたほか、復帰後の家事や育児の分担について家族で話し合うこともできたといいます。

鈴木市長は「男性の育休を社会の当たり前にするべきという思いがあり、市の職員と相談してやりくりしながら、この1か月の『育休』を決めました。子どもと向き合ったり妻と語り合ったりする時間を持つことができて、本当によかったです」と話していました。

妻の華子さんは「家で仕事をしたり、外に出かけたり、半分『育休』という感じでしたが、ある程度はしかたないと思っています。しかし、これからどうやって子ども4人を育てていくのかなどを話し合うこともできましたし、育児に焦点を当てて過ごしてくれる時間ができたのは、とてもありがたいです」と話していました。 秘書課長「完全に1か月間『育休』は難しい」 市長のスケジュール管理などを担う秘書課では、事前にできるかぎり調整を行い、「育休」中の業務を最小限に抑えようと努めましたが、実際には、想像以上に連絡を取り合う必要性に迫られたということです。

また、市民からは市長の「育休」を後押しする声もあった一方で、「選挙で選ばれた市長が公務から離れるのはいかがなものか」という批判を受ける懸念もあったといいます。

笠松由紀子秘書課長は「急ぎの報告や相談事項も多く、やはり市長が完全に1か月間『育休』に入るのは難しいと思いました。市長も大変だったと思いますが、電子決裁やオンライン会議といった遠隔で指揮命令ができる環境が整備されていたのは、よかったと思います」と話していました。