Published: 2025-03-05 12:53

核兵器禁止条約締約国会議 NATOからオブザーバー参加無くなる

核兵器の開発や保有、使用などを禁止した核兵器禁止条約の3回目の締約国会議で、アメリカの核の傘のもとにあるNATO加盟国からのオブザーバー参加国が無くなりました。

核兵器禁止条約の3回目の締約国会議は、今月3日から5日間の日程でニューヨークの国連本部で始まり、アメリカの核の傘のもとにある国からは、オーストラリアがオブザーバーとして参加しているほか、初日は、NATO＝北大西洋条約機構の加盟国からアルバニアがオブザーバー席に姿を見せていました。

しかし、2日目の4日には会議直前、アルバニアの国名の表示が消え、アルバニアの国連代表部はNHKの取材に対し、「出席しないことになった。国連の事務局との連絡で誤解があった」としていて、オブザーバー参加の記録も残らないとみられます。

今回の会議には過去2回続けて参加していたドイツとベルギー、それにノルウェーも参加しておらず、NATOからのオブザーバー参加は無くなりました。

これについて核軍縮を監視している市民団体は会見で、「NATOをめぐって劇的な事態が起きているのは理解しているが、核兵器をめぐる重要な議論の場から外れるのは国や国民の利益にならず、極めて残念だ」と話しています。 高校生平和大使 NYの高校生に原爆の悲惨さ伝える 核兵器禁止条約の締約国会議にあわせて、ニューヨークを訪れている「高校生平和大使」の3人が現地の高校生たちと交流し、原爆の被害の悲惨さや核兵器廃絶への思いを訴えました。

3人は、日本時間の5日午前3時半ごろからニューヨークの高校で開かれた交流会に参加し、20人余りの生徒を前に被爆の実態を伝える発表を行いました。

この中で、広島の高校2年生の沖本晃朔さんは、原爆投下直後に広島で撮影された写真を紹介し、現在の写真と比較しながら、原爆の被害がいかに悲惨かを訴えました。

また、被爆後に白血病と診断され、病気の回復を祈りながら折り鶴を折り続けて12歳で亡くなった佐々木禎子さんの話を紹介し、折り鶴には平和への思いが込められていることを伝えていました。

そして最後に、現地の生徒たちと一緒に折り鶴づくりに挑戦し、生徒たちは高校生平和大使に教わりながら、慣れない手つきで丁寧に鶴を折っていました。

参加したアメリカの高校生は「原爆の投下はとても壊滅的なことで、多くの人が今でも悲しみに包まれているでしょうし、人々がこんなことを経験しなければならなかったのはひどいことだと思います」と話していました。

沖本さんは「原爆のリアルな体験や裏にあるストーリーを共有できたことは価値があったと思います。核保有国で身構えていたところもありましたが、核兵器は人類にとって悪だということについて議論ができました」と話していました。

また、長崎の高校2年生の小林真夕さんは「核廃絶や核兵器の非人道性を伝えるのはもちろんですが、争いごとを武力で解決するのではなく、対話が大切だと示していけたらと思います」と話していました。