Published: 2025-07-29 19:10

佐藤健×宮﨑優×町田啓太×志尊淳は、劇中バンド「TENBLANK」のリアリティをどう作り上げたのか？──Netflixシリーズ「グラスハート」は7月31日から世界独占配信

Netflixシリーズ「グラスハート」が7月31日から世界独占配信される。配信翌日に、デビューアルバムをリリースする劇中バンド「TENBLANK」を演じる佐藤健、宮﨑優、町田啓太、志尊淳を直撃した。

【写真を見る】リアルなライブシーンは圧巻！（全19枚）

Netflixが日本上陸して10年。賀来賢人が主演、原案、共同エグゼクティブプロデューサーを兼ねた「忍びの家 House of Ninjas」など、近年のNetflixでは、俳優自らが企画を提案する流れが顕著だ。

そんななかで圧倒的な熱を携えて動き出した人物がいる。俳優・佐藤健である。韓国ドラマの躍進に刺激を受け、Netflixというプラットフォームに可能性を見出し、20代前半の頃に出合った小説「グラスハート」（著：若木未生）の映像化に乗り出す。共同エグゼクティブプロデューサー・主演を兼任することになった。

それだけではない。佐藤は、ドラマ内の枠を飛び出し、宮﨑優・町田啓太・志尊淳と共に劇中バンド「TENBLANK（テンブランク）」としての活動をリアルでも始動。全10話からなる本作の配信日の翌日8月1日には、デビューアルバムをリリースする。インタビュー会場に現れた4人は、筆者がこれまで見てきた各々とは纏う空気が大きく異なっていた。まさに「テンブランクがそこにいる」錯覚が否応なしに立ち上ってくる。

佐藤はとにかく「規格外の」「見たこともない」映像にこだわり抜いた。撮影期間は8カ月にも及び、俳優陣が自ら挑んだライブシーンでは最大5000人のエキストラを動員し、12台ものカメラを投入したという。

気概に満ちたNetflixシリーズ「グラスハート」は、どのようにして実現に至り、ここまでのクオリティを有するまでになったのか。プレス資料によると、本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるNetflixの岡野真紀子（「ちひろさん」「さよならのつづき」ほか）に佐藤から企画が持ち込まれた際、なんとワンシーンが撮影済みだったそうだ。

佐藤は「プレゼンのために作ったのではなく、音楽と映像の化学反応がどこまでいけるのかを自分の中で検証したかった。実際に撮影を行ってみて“この方向でもっと追求していけばいいものが作れる”と手ごたえが得られたため、企画書を作ってNetflixに持ち込みを行いました。アニメーションではみられるアプローチですが、実写だとあまり前例がないかもしれません」と振り返る。

脚本チームには、人気アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「さよならの朝に約束の花をかざろう」で知られる岡田麿里を起用した。

「原作は朱音の一人称で進んでいくため、彼女が実際に声に出すセリフ自体は多くありません。映像化にあたって朱音を作り上げる脚本家の力が必要だと感じ、女性キャラクターを書かせたら右に出る者はいない岡田さんに“ぜひ力を貸してください”とお願いしました。岡田さんの群像劇『荒ぶる季節の乙女どもよ。』が大好きで、いつか一緒に仕事をしたいと思っていました」（佐藤）

監督・撮影を務める柿本ケンサクは映画『恋する寄生虫』やNHK大河ドラマ「青天を衝け」のメインビジュアル＆タイトルバックのクリエイティブディレクター、Googleやユニクロ等のCMを手掛けてきた人物だ。

「とにかくカッコいいものを作りたくてジョインしていただきました。準備段階のミーティングには基本的に参加するようにしていましたが、ビジュアル面に関しては柿本さんに“とびきりの映像を下さい”とだけ伝えて、ディテールは託しています。現場での各々の芝居に関しても、思い思いに動いたものを切り取っていただきました」と、佐藤は総括する。