Published: 2025-04-24 12:53

改造車脱輪事故 ドライバー執行猶予付き判決 所有者に罰金

2023年、札幌市で改造した車からタイヤが外れ、当時4歳の女の子にぶつかり重体となっている事故の裁判で、札幌地方裁判所は車のドライバーに対し、「車両を点検すべき注意義務を怠り、タイヤを脱落させた」として、執行猶予の付いた懲役3年の判決を言い渡しました。また、ともに車を改造したとして起訴された車の所有者には、罰金20万円を言い渡しました。

おととし11月、札幌市西区の市道で改造された軽乗用車からタイヤが外れ、歩道にいた当時4歳の女の子にぶつかり、重体となっている事故で、車を運転していた若本豊嗣 被告（51）が過失運転傷害などの罪に問われ、ともに車を改造したとして、車の所有者の田中正満 被告（51）が道路運送車両法違反の罪に問われました。

裁判で2人はいずれも起訴された内容を認めました。

24日の判決で札幌地方裁判所の渡邉史朗 裁判長は、若本被告に対し「車両を点検すべき注意義務を負っていたが、それを怠り、漫然と運転をしてタイヤを脱落させた」と指摘したうえで、「今後、運転をしないと誓い、反省の態度が認められる」として懲役3年、執行猶予5年を言い渡しました。

また、田中被告に対し「みずから改造を主導し、負うべき責任は大きい」として、罰金20万円を言い渡しました。 重体の女児の父親「納得していない」 判決のあと女の子の父親が札幌市内で会見を開き、「家族の心情としては子どもが殺されたも同然なのに、この判決には納得していない。被害の大きさと刑罰の大きさのバランスが取れていないと感じる」と述べました。この事故では、車の所有者である田中被告が過失運転傷害の疑いでも逮捕されていましたが、検察はこの容疑については不起訴にしています。これについて父親は処分は不当だとして、検察審査会に審査を申し立てたことを明らかにしました。