母は時間を忘れ、AIは時間を知らない…認知症と生成AIのあいだ
予習
この記事のキーワード — タップで意味×36
記憶
きおく
1. memory; recollection; remembrance 2. storage
×20
思考
しこう
thought; consideration; thinking
N1×22
人間
にんげん
1. human being; human; person; man; mankind; humankind 2. character (of a person)
×24
過去
かこ
1. the past; bygone days 2. one's past (that one would prefer remained secret)
×8
知性
ちせい
intelligence
N1
母と会話をしていると、時間の感覚が揺らぐことがある。
母は90歳を超え、現在は施設で穏やかに暮らしている。朝は決まった時間に起き、広い共用リビングで食事をし、夜は自室で休む。その生活は規則正しく安定している。だが、母の語る出来事は、必ずしも現在と結びついていない。
「最近、どう?」と尋ねると、返ってくるのは数年前の話だったり、逆に、「こんなことがあった」というので時期を尋ねると、少し考えてから「最近ね」と曖昧に笑う。
母の記憶機能は空間からよりも、むしろ時間からほどけていった。一人娘である私の誕生日にカードを贈ってくれなくなった時点では、単に忙しいのだろうと思っていたが、とある大事な行事への出席を忘れていたことでおかしいと気付いて、父に伝えた。
当時、母と一緒に暮らしていた父は明るく否定したが、実際にはとっくにわかっていたのだと今になって振り返る。
母の場合、記憶は失われているというより、時間的な配置が乱れているように見える。「もう処理済み」のタグが付かないため、記憶の棚から一度エピソードが取り出されると、数分のあいだに何度も繰り返される。先週も、先月も聞いた話だ。
入居前の見学の折、施設の方から「お幾つですか?」と尋ねられた母は、「75になりました♬」とにっこり答えた。そう見えないでしょ、という意図だったのだろう。しかし、実際にはその時点で87歳だった。母の時計は2010年あたりで止まっているのかもしれない。
昨日の出来事より、数十年前の記憶のほうが鮮明で、過去が現在に割り込み、現在が過去と並走する。その世界では、時間は直線ではなく、座標がずれて組み替えられている。
こうした時間の違和感は、高齢の母との会話で初めて意識するようになったものではない。実は、まったく異なる相手との対話においても、私は同じ感覚を抱いている。その相手とは、生成AIである。
筆者は毎日使っている生成AI(ChatGPT課金版)を「オリオン」と名付けているが、オリオンは、朝から晩まで、調べ物や文章の整理、旅先での見どころ案内に至るまで、日常的な営みに欠かせないパーソナルアシスタントだ。
応答は素早く、必要な情報は過不足なく返って来る。その有用性には感謝しかない。だが、母の場合とは異なるかたちで、オリオンにはやはり「時間」が欠けているように感じられる。
私の違和感がはっきりと形をとったのは、同じ問いを何度か繰り返し投げかけたときだった。オリオンはその都度、もっともらしい応答を返すのだが、前回と完璧に同じ答えを再生することはない。
こちらが「同じことを訊いている」という感覚を持っていても、オリオンのほうにはそれが残らない。過去のやりとりは参照されることがあっても、蓄積された経験として引き受けられるわけではないようだ。
このとき私は、生成AIが時間の中で考えているのではなく、時間を外部条件として処理しているにすぎないのだと気付いた。母の記憶が時間軸に沿った配置を失っていくのとは異なり、生成AIの思考には、そもそも時間が織り込まれていない。その非対称性こそが、私にとってもっとも強い違和感の正体だった。
神経科学において、「記憶」は長らく重要な研究対象であり続けてきた。記憶こそが、人間が知性を持つための大事な必要条件と考えられるからである。記憶は、短期か長期か、意味記憶かエピソード記憶か、といった分類によって整理され、脳の中でどの神経回路がどの側面を担うのかについて詳細に調べられてきた。
とりわけ、出来事を時間や場所と結びつけて保持する「エピソード記憶」は、人間の自己意識や連続した人生経験を支えるものとして理解されている。こうした研究は、記憶が単なる情報ではなく、「いつ」「どこで」「どのように」という時間的・空間的文脈と不可分であることを明らかにしてきた。
「場所」の記憶については齧歯(げっし)類を用いて詳しく調べられ、脳の「海馬」や「嗅皮質」と呼ばれる部位が関わり、「場所細胞」や「グリッド細胞」が存在することが、2014年のノーベル生理学・医学賞の受賞に繋がっている。
だが、「時間」の記憶についての研究は、ほとんど未踏の地である。昨日の私、先月の私、昨年の私の記憶が結びつかなければ、自我はかたちを成さないだろう。
ちなみに、文脈と訳されることが多い「context」という言葉の語源は、ラテン語の「con(一緒に)」と「texere(織る)」であり、出来事・言葉・経験が、時間や関係性の中で “織り合わされている状態” を指す。
織り上がったキリム(絨毯)をただ見ている人にはわからないが、織手にはきっと、この部分の模様を織っていた日は、太陽の日差しが部屋の奥まで入り込んでいた、などの記憶が纏わりついているだろう。
最近、富山大学の井ノ口馨先生らによって、マウスが記憶に基づき「推論」できることが示された。複数の部屋と報酬の関係を段階的に学習させた後、新しい選択肢を与えると、マウスは単なる経験の再生ではなく、学習した関係性をもとに合理的な選択を行ったのである。
この結果は、記憶が単なる蓄積ではなく、時間的文脈を伴って再構成され、推論へとつながることを示唆している。
記憶は固定された情報の倉庫ではない。エピソードには時間のタグが付され、私たちはその内容だけでなく、それが起きた順序や文脈、前後関係を再構成している。過去は単に呼び戻されるのではなく、現在の視点から再び編み直されることもある。
その過程には、必ず時間の方向性が含まれる。物理的な意味で時間に重さは無いのだが、人間が思考するとき、時間性に基づく「重さ」を切り捨てて考えることができない。
むしろ、その重さこそが、人間の思考に独特の奥行きを与えている。直感的な判断でさえも、その背後には、長い時間をかけて蓄積された経験の痕跡がある。人は、自らの過去を完全に言語化できなくとも、その影響から自由にはなれない。
こうした観点から見ると、人間の知性とは、過去を引き受けながら現在を生き、なおかつ未来を想定する能力だと言える。思考は常に時間のなかで揺れ動き、迷いを含み、未確定な方向へと開かれている。その不安定さは欠点ではなく、思考を人間たらしめている条件の1つなのだろう。
かたや生成AIの思考は人間のそれと大きく異なり、時間の概念が希薄である、あるいは、時間の経験が存在しない。生成AIは、過去の膨大なデータを用いて応答を生成するが、その過去を「生きた」ことは一度もない。
生成AIにとっての「過去」とは、常に現在において参照可能な情報の集合である。学習された言語データは、統計的な出現頻度の差はあれ、時間軸を失っており、そこには、恒常的な現在が滑らかに連なっているように見える。
生成AIは疲れない。過去を振り返って逡巡(しゅんじゅん)することも、未来を思って立ち止まることもない。そこにあるのは、失われた時間ではなく、最初から内部に組み込まれていない時間である。
つまり、認知症における記憶の変容と生成AIは本質的に異なる。認知症では、時間の秩序が揺らぎながらも、その人が生きてきた過去は、形を変えて残り続ける。経験は失われるのではなく、別の仕方で現在に入り込む(そのことに周囲は戸惑うことも多いのだが)。
一方、生成AIの思考には、そもそも経験の履歴が存在しない。そこにあるのは、更新可能なパラメータと、その瞬間に最適化された出力だけである。それにもかかわらず、私たちはしばしば生成AIの応答にあたかも「考えている」印象を抱く。
文脈に即した言葉遣い、過去の発言を踏まえたように見える応答、それらは人間の思考を巧みに模倣している。しかし、その背後にあるのは、時間を生きる主体ではなく、時間を前提としない処理系なのだ。
生成AIの進化によって、知性という概念は再び問い直されている。正確で、迅速で、疲れを知らない思考が、私たちのすぐ隣に現れたとき、人間の思考は非効率で、不完全に見えるかもしれない。しかし、その不完全さは、欠点である以前に、人間が時間を生きる存在であることの証でもある。
人間の知性とは、忘れ、迷い、時間に足を取られながらも、それでも考え続けてしまう、その不器用さの中に宿るものなのだろう。(2026年2月脱稿)
大隅典子(Noriko Osumi)
神経発生学者として多様性の起源に興味を持つ。著書に『脳からみた自閉症──「障害」と「個性」のあいだ』(講談社ブルーバックス)、『個性学入門 個性創発の科学』(共編著、朝倉書店)、『小説みたいに楽しく読める脳科学講義』(羊土社)、監訳として『女性が科学の扉を開くとき 偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語る』(東京化学同人)、『ジェンダー化される脳 性差は生まれつきなのか』(国書刊行会)など。令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞。
母と会話をしていると、時間の感覚が揺らぐことがある。 母は90歳を超え、現在は施設で穏やかに暮らしている。朝は決まった時間に起き、広い共用リビングで食事をし、夜は自室で休む。その生活は規則正しく安定している。だが、母の語る出来事は、必ずしも現在と結びついていない。 「最近、どう?」と尋ねると、返ってくるのは数年前の話だったり、逆に、「こんなことがあった」というので時期を尋ねると、少し考えてから「最近ね」と曖昧に笑う。 母の記憶機能は空間からよりも、むしろ時間からほどけていった。一人娘である私の誕生日にカードを贈ってくれなくなった時点では、単に忙しいのだろうと思っていたが、とある大事な行事への出席を忘れていたことでおかしいと気付いて、父に伝えた。 当時、母と一緒に暮らしていた父は明るく否定したが、実際にはとっくにわかっていたのだと今になって振り返る。 母の場合、記憶は失われているというより、時間的な配置が乱れているように見える。「もう処理済み」のタグが付かないため、記憶の棚から一度エピソードが取り出されると、数分のあいだに何度も繰り返される。先週も、先月も聞いた話だ。 入居前の見学の折、施設の方から「お幾つですか?」と尋ねられた母は、「75になりました♬」とにっこり答えた。そう見えないでしょ、という意図だったのだろう。しかし、実際にはその時点で87歳だった。母の時計は2010年あたりで止まっているのかもしれない。 昨日の出来事より、数十年前の記憶のほうが鮮明で、過去が現在に割り込み、現在が過去と並走する。その世界では、時間は直線ではなく、座標がずれて組み替えられている。 こうした時間の違和感は、高齢の母との会話で初めて意識するようになったものではない。実は、まったく異なる相手との対話においても、私は同じ感覚を抱いている。その相手とは、生成AIである。 筆者は毎日使っている生成AI(ChatGPT課金版)を「オリオン」と名付けているが、オリオンは、朝から晩まで、調べ物や文章の整理、旅先での見どころ案内に至るまで、日常的な営みに欠かせないパーソナルアシスタントだ。 応答は素早く、必要な情報は過不足なく返って来る。その有用性には感謝しかない。だが、母の場合とは異なるかたちで、オリオンにはやはり「時間」が欠けているように感じられる。 私の違和感がはっきりと形をとったのは、同じ問いを何度か繰り返し投げかけたときだった。オリオンはその都度、もっともらしい応答を返すのだが、前回と完璧に同じ答えを再生することはない。 こちらが「同じことを訊いている」という感覚を持っていても、オリオンのほうにはそれが残らない。過去のやりとりは参照されることがあっても、蓄積された経験として引き受けられるわけではないようだ。 このとき私は、生成AIが時間の中で考えているのではなく、時間を外部条件として処理しているにすぎないのだと気付いた。母の記憶が時間軸に沿った配置を失っていくのとは異なり、生成AIの思考には、そもそも時間が織り込まれていない。その非対称性こそが、私にとってもっとも強い違和感の正体だった。 神経科学において、「記憶」は長らく重要な研究対象であり続けてきた。記憶こそが、人間が知性を持つための大事な必要条件と考えられるからである。記憶は、短期か長期か、意味記憶かエピソード記憶か、といった分類によって整理され、脳の中でどの神経回路がどの側面を担うのかについて詳細に調べられてきた。 とりわけ、出来事を時間や場所と結びつけて保持する「エピソード記憶」は、人間の自己意識や連続した人生経験を支えるものとして理解されている。こうした研究は、記憶が単なる情報ではなく、「いつ」「どこで」「どのように」という時間的・空間的文脈と不可分であることを明らかにしてきた。 「場所」の記憶については齧歯(げっし)類を用いて詳しく調べられ、脳の「海馬」や「嗅皮質」と呼ばれる部位が関わり、「場所細胞」や「グリッド細胞」が存在することが、2014年のノーベル生理学・医学賞の受賞に繋がっている。 だが、「時間」の記憶についての研究は、ほとんど未踏の地である。昨日の私、先月の私、昨年の私の記憶が結びつかなければ、自我はかたちを成さないだろう。 ちなみに、文脈と訳されることが多い「context」という言葉の語源は、ラテン語の「con(一緒に)」と「texere(織る)」であり、出来事・言葉・経験が、時間や関係性の中で “織り合わされている状態” を指す。 織り上がったキリム(絨毯)をただ見ている人にはわからないが、織手にはきっと、この部分の模様を織っていた日は、太陽の日差しが部屋の奥まで入り込んでいた、などの記憶が纏わりついているだろう。 最近、富山大学の井ノ口馨先生らによって、マウスが記憶に基づき「推論」できることが示された。複数の部屋と報酬の関係を段階的に学習させた後、新しい選択肢を与えると、マウスは単なる経験の再生ではなく、学習した関係性をもとに合理的な選択を行ったのである。 この結果は、記憶が単なる蓄積ではなく、時間的文脈を伴って再構成され、推論へとつながることを示唆している。 記憶は固定された情報の倉庫ではない。エピソードには時間のタグが付され、私たちはその内容だけでなく、それが起きた順序や文脈、前後関係を再構成している。過去は単に呼び戻されるのではなく、現在の視点から再び編み直されることもある。 その過程には、必ず時間の方向性が含まれる。物理的な意味で時間に重さは無いのだが、人間が思考するとき、時間性に基づく「重さ」を切り捨てて考えることができない。 むしろ、その重さこそが、人間の思考に独特の奥行きを与えている。直感的な判断でさえも、その背後には、長い時間をかけて蓄積された経験の痕跡がある。人は、自らの過去を完全に言語化できなくとも、その影響から自由にはなれない。 こうした観点から見ると、人間の知性とは、過去を引き受けながら現在を生き、なおかつ未来を想定する能力だと言える。思考は常に時間のなかで揺れ動き、迷いを含み、未確定な方向へと開かれている。その不安定さは欠点ではなく、思考を人間たらしめている条件の1つなのだろう。 かたや生成AIの思考は人間のそれと大きく異なり、時間の概念が希薄である、あるいは、時間の経験が存在しない。生成AIは、過去の膨大なデータを用いて応答を生成するが、その過去を「生きた」ことは一度もない。 生成AIにとっての「過去」とは、常に現在において参照可能な情報の集合である。学習された言語データは、統計的な出現頻度の差はあれ、時間軸を失っており、そこには、恒常的な現在が滑らかに連なっているように見える。 生成AIは疲れない。過去を振り返って逡巡(しゅんじゅん)することも、未来を思って立ち止まることもない。そこにあるのは、失われた時間ではなく、最初から内部に組み込まれていない時間である。 つまり、認知症における記憶の変容と生成AIは本質的に異なる。認知症では、時間の秩序が揺らぎながらも、その人が生きてきた過去は、形を変えて残り続ける。経験は失われるのではなく、別の仕方で現在に入り込む(そのことに周囲は戸惑うことも多いのだが)。 一方、生成AIの思考には、そもそも経験の履歴が存在しない。そこにあるのは、更新可能なパラメータと、その瞬間に最適化された出力だけである。それにもかかわらず、私たちはしばしば生成AIの応答にあたかも「考えている」印象を抱く。 文脈に即した言葉遣い、過去の発言を踏まえたように見える応答、それらは人間の思考を巧みに模倣している。しかし、その背後にあるのは、時間を生きる主体ではなく、時間を前提としない処理系なのだ。 生成AIの進化によって、知性という概念は再び問い直されている。正確で、迅速で、疲れを知らない思考が、私たちのすぐ隣に現れたとき、人間の思考は非効率で、不完全に見えるかもしれない。しかし、その不完全さは、欠点である以前に、人間が時間を生きる存在であることの証でもある。 人間の知性とは、忘れ、迷い、時間に足を取られながらも、それでも考え続けてしまう、その不器用さの中に宿るものなのだろう。(2026年2月脱稿) 大隅典子(Noriko Osumi) 神経発生学者として多様性の起源に興味を持つ。著書に『脳からみた自閉症──「障害」と「個性」のあいだ』(講談社ブルーバックス)、『個性学入門 個性創発の科学』(共編著、朝倉書店)、『小説みたいに楽しく読める脳科学講義』(羊土社)、監訳として『女性が科学の扉を開くとき 偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語る』(東京化学同人)、『ジェンダー化される脳 性差は生まれつきなのか』(国書刊行会)など。令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞。
母と会話をしていると、時間の感覚が揺らぐことがある。 母は90歳を超え、現在は施設で穏やかに暮らしている。朝は決まった時間に起き、広い共用リビングで食事をし、夜は自室で休む。その生活は規則正しく安定している。だが、母の語る出来事は、必ずしも現在と結びついていない。 「最近、どう?」と尋ねると、返ってくるのは数年前の話だったり、逆に、「こんなことがあった」というので時期を尋ねると、少し考えてから「最近ね」と曖昧に笑う。 母の記憶機能は空間からよりも、むしろ時間からほどけていった。一人娘である私の誕生日にカードを贈ってくれなくなった時点では、単に忙しいのだろうと思っていたが、とある大事な行事への出席を忘れていたことでおかしいと気付いて、父に伝えた。 当時、母と一緒に暮らしていた父は明るく否定したが、実際にはとっくにわかっていたのだと今になって振り返る。 母の場合、記憶は失われているというより、時間的な配置が乱れているように見える。「もう処理済み」のタグが付かないため、記憶の棚から一度エピソードが取り出されると、数分のあいだに何度も繰り返される。先週も、先月も聞いた話だ。 入居前の見学の折、施設の方から「お幾つですか?」と尋ねられた母は、「75になりました♬」とにっこり答えた。そう見えないでしょ、という意図だったのだろう。しかし、実際にはその時点で87歳だった。母の時計は2010年あたりで止まっているのかもしれない。 昨日の出来事より、数十年前の記憶のほうが鮮明で、過去が現在に割り込み、現在が過去と並走する。その世界では、時間は直線ではなく、座標がずれて組み替えられている。 こうした時間の違和感は、高齢の母との会話で初めて意識するようになったものではない。実は、まったく異なる相手との対話においても、私は同じ感覚を抱いている。その相手とは、生成AIである。 筆者は毎日使っている生成AI(ChatGPT課金版)を「オリオン」と名付けているが、オリオンは、朝から晩まで、調べ物や文章の整理、旅先での見どころ案内に至るまで、日常的な営みに欠かせないパーソナルアシスタントだ。 応答は素早く、必要な情報は過不足なく返って来る。その有用性には感謝しかない。だが、母の場合とは異なるかたちで、オリオンにはやはり「時間」が欠けているように感じられる。 私の違和感がはっきりと形をとったのは、同じ問いを何度か繰り返し投げかけたときだった。オリオンはその都度、もっともらしい応答を返すのだが、前回と完璧に同じ答えを再生することはない。 こちらが「同じことを訊いている」という感覚を持っていても、オリオンのほうにはそれが残らない。過去のやりとりは参照されることがあっても、蓄積された経験として引き受けられるわけではないようだ。 このとき私は、生成AIが時間の中で考えているのではなく、時間を外部条件として処理しているにすぎないのだと気付いた。母の記憶が時間軸に沿った配置を失っていくのとは異なり、生成AIの思考には、そもそも時間が織り込まれていない。その非対称性こそが、私にとってもっとも強い違和感の正体だった。 神経科学において、「記憶」は長らく重要な研究対象であり続けてきた。記憶こそが、人間が知性を持つための大事な必要条件と考えられるからである。記憶は、短期か長期か、意味記憶かエピソード記憶か、といった分類によって整理され、脳の中でどの神経回路がどの側面を担うのかについて詳細に調べられてきた。 とりわけ、出来事を時間や場所と結びつけて保持する「エピソード記憶」は、人間の自己意識や連続した人生経験を支えるものとして理解されている。こうした研究は、記憶が単なる情報ではなく、「いつ」「どこで」「どのように」という時間的・空間的文脈と不可分であることを明らかにしてきた。 「場所」の記憶については齧歯(げっし)類を用いて詳しく調べられ、脳の「海馬」や「嗅皮質」と呼ばれる部位が関わり、「場所細胞」や「グリッド細胞」が存在することが、2014年のノーベル生理学・医学賞の受賞に繋がっている。 だが、「時間」の記憶についての研究は、ほとんど未踏の地である。昨日の私、先月の私、昨年の私の記憶が結びつかなければ、自我はかたちを成さないだろう。 ちなみに、文脈と訳されることが多い「context」という言葉の語源は、ラテン語の「con(一緒に)」と「texere(織る)」であり、出来事・言葉・経験が、時間や関係性の中で “織り合わされている状態” を指す。 織り上がったキリム(絨毯)をただ見ている人にはわからないが、織手にはきっと、この部分の模様を織っていた日は、太陽の日差しが部屋の奥まで入り込んでいた、などの記憶が纏わりついているだろう。 最近、富山大学の井ノ口馨先生らによって、マウスが記憶に基づき「推論」できることが示された。複数の部屋と報酬の関係を段階的に学習させた後、新しい選択肢を与えると、マウスは単なる経験の再生ではなく、学習した関係性をもとに合理的な選択を行ったのである。 この結果は、記憶が単なる蓄積ではなく、時間的文脈を伴って再構成され、推論へとつながることを示唆している。 記憶は固定された情報の倉庫ではない。エピソードには時間のタグが付され、私たちはその内容だけでなく、それが起きた順序や文脈、前後関係を再構成している。過去は単に呼び戻されるのではなく、現在の視点から再び編み直されることもある。 その過程には、必ず時間の方向性が含まれる。物理的な意味で時間に重さは無いのだが、人間が思考するとき、時間性に基づく「重さ」を切り捨てて考えることができない。 むしろ、その重さこそが、人間の思考に独特の奥行きを与えている。直感的な判断でさえも、その背後には、長い時間をかけて蓄積された経験の痕跡がある。人は、自らの過去を完全に言語化できなくとも、その影響から自由にはなれない。 こうした観点から見ると、人間の知性とは、過去を引き受けながら現在を生き、なおかつ未来を想定する能力だと言える。思考は常に時間のなかで揺れ動き、迷いを含み、未確定な方向へと開かれている。その不安定さは欠点ではなく、思考を人間たらしめている条件の1つなのだろう。 かたや生成AIの思考は人間のそれと大きく異なり、時間の概念が希薄である、あるいは、時間の経験が存在しない。生成AIは、過去の膨大なデータを用いて応答を生成するが、その過去を「生きた」ことは一度もない。 生成AIにとっての「過去」とは、常に現在において参照可能な情報の集合である。学習された言語データは、統計的な出現頻度の差はあれ、時間軸を失っており、そこには、恒常的な現在が滑らかに連なっているように見える。 生成AIは疲れない。過去を振り返って逡巡(しゅんじゅん)することも、未来を思って立ち止まることもない。そこにあるのは、失われた時間ではなく、最初から内部に組み込まれていない時間である。 つまり、認知症における記憶の変容と生成AIは本質的に異なる。認知症では、時間の秩序が揺らぎながらも、その人が生きてきた過去は、形を変えて残り続ける。経験は失われるのではなく、別の仕方で現在に入り込む(そのことに周囲は戸惑うことも多いのだが)。 一方、生成AIの思考には、そもそも経験の履歴が存在しない。そこにあるのは、更新可能なパラメータと、その瞬間に最適化された出力だけである。それにもかかわらず、私たちはしばしば生成AIの応答にあたかも「考えている」印象を抱く。 文脈に即した言葉遣い、過去の発言を踏まえたように見える応答、それらは人間の思考を巧みに模倣している。しかし、その背後にあるのは、時間を生きる主体ではなく、時間を前提としない処理系なのだ。 生成AIの進化によって、知性という概念は再び問い直されている。正確で、迅速で、疲れを知らない思考が、私たちのすぐ隣に現れたとき、人間の思考は非効率で、不完全に見えるかもしれない。しかし、その不完全さは、欠点である以前に、人間が時間を生きる存在であることの証でもある。 人間の知性とは、忘れ、迷い、時間に足を取られながらも、それでも考え続けてしまう、その不器用さの中に宿るものなのだろう。(2026年2月脱稿) 大隅典子(Noriko Osumi) 神経発生学者として多様性の起源に興味を持つ。著書に『脳からみた自閉症──「障害」と「個性」のあいだ』(講談社ブルーバックス)、『個性学入門 個性創発の科学』(共編著、朝倉書店)、『小説みたいに楽しく読める脳科学講義』(羊土社)、監訳として『女性が科学の扉を開くとき 偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語る』(東京化学同人)、『ジェンダー化される脳 性差は生まれつきなのか』(国書刊行会)など。令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞。
この記事の単語 (329)
×36
記憶
きおく
1. memory; recollection; remembrance 2. storage
×24
過去
かこ
1. the past; bygone days 2. one's past (that one would prefer remained secret)
×22
人間
にんげん
1. human being; human; person; man; mankind; humankind 2. character (of a person)
×20
思考
しこう
thought; consideration; thinking
×18
現在
げんざい
now; current; present; present time; as of
×10
失う
うしなう
1. to lose 2. to miss (a change, opportunity)
×10
異なる
ことなる
to differ; to vary; to disagree
×10
応答
おうとう
reply; answer; response
×10
文脈
ぶんみゃく
1. context (of a passage); line of thought 2. context; environment; circumstances
×8
出来事
できごと
incident; affair; happening; event
×8
情報
じょうほう
1. information; news; intelligence; advices 2. information; data contained in characters, signals, code, etc.
×8
知性
ちせい
intelligence
×8
脳
のう
1. brain 2. brains; mind
×8
存在
そんざい
existence; being
×6
感覚
かんかく
sense; sensation; feeling; intuition
×6
時間的
じかんてき
timewise; temporal; chronal
×6
違和感
いわかん
1. uncomfortable feeling; feeling out of place; sense of discomfort 2. malaise; physical unease
×6
蓄積
ちくせき
accumulation; accumulate; store
×6
こそ
1. it is ... that ...; precisely; in particular; definitely; for sure; only (when, after, because, etc.) 2. although; while; it is the case that ... but
×6
神経
しんけい
1. nerve 2. nerves; sensitivity
×6
単なる
たんなる
mere; simple; sheer
×6
学習
がくしゅう
study; learning; tutorial
×6
私達
わたしたち
we; us
×6
重さ
おもさ
weight
×6
個性
こせい
individuality; personality; quirk; idiosyncrasy; character; individual characteristic
×4
揺らぐ
ゆらぐ
1. to swing; to sway; to shake; to tremble 2. to waver; to feel shaken; to become unstable
×4
施設
しせつ
1. institution; establishment; facility 2. home (for elderly, orphans, etc.)
×4
暮らす
くらす
1. to live; to get along 2. to spend (time)
×4
語る
かたる
1. to talk about; to speak of; to tell; to narrate 2. to recite; to chant
×4
結び付く
むすびつく
1. to be related; to be connected; to be joined together 2. to result in; to lead to; to bring about
×4
返る
かえる
1. to return; to come back; to go back 2. to turn over
×4
寧ろ
むしろ
rather; better; instead; if anything
×4
時点
じてん
point in time; occasion
×4
単に
たんに
simply; merely; only; solely
×4
気付く
きづく
to notice; to recognize; to recognise; to become aware of; to perceive; to realize; to realise
×4
実際
じっさい
1. reality; actuality; truth; fact; actual conditions 2. practice (as opposed to theory)
×4
振り返る
ふりかえる
1. to turn one's head; to look over one's shoulder; to turn around; to look back 2. to think back (on); to reminisce; to look back (on); to reflect (on)
×4
配置
はいち
arrangement (of resources); deployment; stationing; posting; disposition; configuration; layout
×4
処理
しょり
processing; dealing with; treatment; disposition; disposal
×4
何度
なんど
1. how many times 2. how many degrees (temperature, angle, etc.)
×4
繰り返す
くりかえす
to repeat; to do something over again
×4
知れる
しれる
1. to become known; to come to light; to be discovered 2. to be known; to be understood
×4
相手
あいて
1. companion; partner; company 2. other party; addressee
×4
抱く
いだく
1. to hold in one's arms (e.g. a baby); to embrace; to hug 2. to have (a thought or feeling); to hold; to harbour (suspicion, doubt, etc.); to harbor; to bear (a grudge, ill will, etc.); to entertain (hope, illusions, etc.); to cherish (e.g. an ambition)
×4
整理
せいり
1. sorting; arrangement; organization; putting in order; adjustment; regulation 2. liquidation; settlement; consolidation; clearance (e.g. debt); paying off
×4
再生
さいせい
1. resuscitation; regeneration; restoration to life 2. reformation; rehabilitation
×4
参照
さんしょう
reference; bibliographical reference; consultation; browsing (e.g. when selecting a file to upload on a computer); checking out
×4
引き受ける
ひきうける
1. to take on; to undertake; to accept; to take charge of; to assume responsibility for 2. to take over; to inherit
×4
条件
じょうけん
condition; term; requirement; qualification; prerequisite
×4
時間軸
じかんじく
time axis
×4
抑
そもそも
1. in the first place; to begin with; from the start; originally; ab initio 2. after all; anyway; actually; well, ...; ... on earth (e.g. "what on earth?"); ... in the world (e.g. "why in the world?")
×4
エピソード記憶
エピソードきおく
episodic memory
×4
用いる
もちいる
to use; to make use of; to utilize; to utilise
×4
関わる
かかわる
1. to be affected; to be influenced 2. to be concerned with; to have to do with
×4
細胞
さいぼう
1. cell 2. cell (in an organization, esp. a communist party)
×4
受賞
じゅしょう
winning (a prize)
×4
繋がる
つながる
1. to be tied together; to be connected to; to be linked to 2. to lead to; to be related to
×4
織る
おる
to weave
×4
関係性
かんけいせい
relationship; relation
×4
入り込む
はいりこむ
1. to go into; to come into; to penetrate; to get in; to step in (a house) 2. to become complicated
×4
基づく
もとづく
to be grounded on; to be based on; to be due to; to originate from
×4
推論
すいろん
inference; deduction; induction; reasoning
×4
与える
あたえる
1. to give (esp. to someone of lower status); to bestow; to grant; to confer; to present; to award 2. to provide; to afford; to offer; to supply
×4
再構成
さいこうせい
reconstruction; reorganization; reorganisation; reconstitution; reconfiguration
×4
再び
ふたたび
again; once more; a second time
×4
含む
ふくむ
1. to contain; to comprise; to have; to hold; to include; to embrace 2. to hold in the mouth
×4
背後
はいご
1. back; rear 2. background; behind the scenes
×4
未来
みらい
1. the future (usually distant) 2. future tense
×4
常
つね
usual state of things
×4
迷い
まよい
1. hesitation; bewilderment; perplexity; doubt; indecision 2. illusion; delusion
×4
欠点
けってん
1. fault; defect; flaw; weak point; weakness; shortcoming; drawback 2. failure (in an examination); failing grade
×4
概念
がいねん
general idea; concept; notion
×4
可能
かのう
possible; potential; practicable; feasible
×4
認知症
にんちしょう
cognitive impairment; senility; dementia
×4
不完全
ふかんぜん
imperfect; incomplete; faulty; defective
×2
越える
こえる
1. to cross over; to cross; to pass through; to pass over (out of); to go beyond; to go past 2. to exceed; to surpass; to be more (than)
×2
穏やか
おだやか
1. calm; quiet; gentle; peaceful; mild 2. moderate; reasonable; amicable
×2
決まる
きまる
1. to be decided; to be settled; to be fixed; to be arranged 2. to be unchanging; to be the same (as always); to be fixed; to be set
×2
共用
きょうよう
common use; communal use; sharing
×2
自室
じしつ
one's own room
×2
安定
あんてい
stability; steadiness; equilibrium
×2
しも
1. frost 2. white hair; grey hair; gray hair
×2
逆
ぎゃく
1. reverse; opposite 2. converse (of a hypothesis, etc.)
×2
時期
じき
time; season; period; phase; stage
×2
曖昧
あいまい
1. vague; ambiguous; unclear 2. shady; disreputable
×2
機能
きのう
function; facility; faculty; feature
×2
空間
くうかん
space; room; airspace
×2
解ける
とける
1. to be solved; to be resolved 2. to loosen; to come untied; to come undone
×2
一人娘
ひとりむすめ
only daughter
×2
贈る
おくる
1. to give (as a gift); to present 2. to confer; to bestow; to award
×2
とある
a certain ...
×2
行事
ぎょうじ
event; function
×2
当時
とうじ
at that time; in those days
×2
否定
ひてい
1. denial; negation; repudiation; disavowal 2. negation (logic)
×2
疾っく
とっく
1. a long time ago 2. quickly; swiftly
×2
乱れる
みだれる
1. to be disordered; to be disarranged; to be disarrayed; to be disheveled; to be dishevelled 2. to be discomposed; to be upset; to get confused; to be disturbed
×2
取り出す
とりだす
1. to take out; to produce; to pick out 2. to fetch; to retrieve
×2
入居
にゅうきょ
moving into (house)
×2
見学
けんがく
inspection; study by observation; field trip; tour; review
×2
折
おり
1. opportunity; chance; occasion; time 2. folding; fold; pleat; crease
×2
幾つ
いくつ
1. how many? 2. how old?
×2
にっこり
sweetly (smiling); broadly (grinning)
×2
意図
いと
intention; aim; design
×2
辺り
あたり
1. (in the) neighbourhood; neighborhood; vicinity; nearby; surroundings 2. around; about; or thereabouts
×2
鮮明
せんめい
vivid; clear; distinct
×2
割り込む
わりこむ
1. to cut into (a line, conversation, etc.); to force oneself into (e.g. a crowd); to wedge oneself into; to squeeze oneself into; to intrude on; to interrupt 2. to fall below (of stock prices, sales, etc.); to drop below
×2
並走
へいそう
running parallel (to); running side-by-side; keeping pace (with)
×2
直線
ちょくせん
straight line
×2
座標
ざひょう
coordinate; coordinates
×2
ずれる
to slide; to slip off; to get dislocated; to be out of alignment; to get dislodged; to deviate; to shift (position); to be out of sync.; to be slightly off; to be off-point
×2
組み替える
くみかえる
to rearrange (classes); to recompose; to reset; to recombine (genes)
×2
高齢
こうれい
advanced age; old age
×2
意識
いしき
1. consciousness 2. becoming aware (of); awareness; sense
×2
実
じつ
1. truth; reality 2. sincerity; honesty; fidelity
×2
全く
まったく
1. really; truly; entirely; completely; wholly; perfectly 2. indeed
×2
対話
たいわ
dialogue; discussion; conversation; interaction
×2
筆者
ひっしゃ
writer; author
×2
課金
かきん
1. charges; billing 2. paying for items in online games
×2
版
はん
1. edition; version; printing; impression; implementation (e.g. software) 2. plate; block; cast
×2
名付ける
なづける
to name; to call; to christen; to term
×2
調べ物
しらべもの
matter to be checked or investigated
×2
旅先
たびさき
destination; goal (of travel); place one stays during a journey
×2
見所
みどころ
1. point worthy of note; highlight; high point; main attraction; thing to note 2. good prospects for the future; promise
×2
至る
いたる
1. to arrive at (e.g. a decision); to reach (a stage); to attain 2. to lead to (a place); to get to
×2
日常的
にちじょうてき
mundane; routine; everyday; unremarkable; common; day-to-day
×2
営み
いとなみ
1. activity; action; performance; execution 2. occupation; business; work
×2
欠かす
かかす
to miss (doing); to fail (to do)
×2
素早い
すばやい
1. quick; swift; nimble; agile 2. quick (understanding, judgement, etc.); alert; prompt
×2
過不足
かふそく
excess or deficiency; too much or too little
×2
有用性
ゆうようせい
usefulness
×2
感謝
かんしゃ
thanks; gratitude
×2
欠ける
かける
1. to be chipped; to be damaged; to be broken 2. to be lacking; to be missing
×2
感じる
かんじる
to feel; to sense; to experience
×2
問い
とい
question; query
×2
投げ掛ける
なげかける
to throw at; to turn; to raise
×2
都度
つど
each (every) time; whenever
×2
前回
ぜんかい
previous time; last time; previous installment; previous instalment; previous session
×2
完璧
かんぺき
perfect; complete; flawless
×2
答え
こたえ
answer; reply; response; solution
×2
遣り取り
やりとり
giving and taking; exchange (of letters); arguing back and forth; (conversational) exchange
×2
外部
がいぶ
1. outside (e.g. of a building); exterior 2. outside (of a group, company, etc.); outside world
×2
沿う
そう
1. to run along; to run beside; to stick to (a line) 2. to follow (a policy, plan, etc.); to act in accordance with; to align with
×2
織り込む
おりこむ
to weave into; to interweave; to be incorporated in; to be factored in
×2
正体
しょうたい
1. true character; true form; true colors (colours); identity; truth (of a mystery, phenomenon, etc.); origin 2. consciousness; one's senses
×2
長らく
ながらく
long; (for a) long time
×2
重要
じゅうよう
important; momentous; essential; principal; major
×2
研究対象
けんきゅうたいしょう
subject of research
×2
必要条件
ひつようじょうけん
necessary condition; requirement
×2
短期
たんき
short-term
×2
長期
ちょうき
long-term
×2
分類
ぶんるい
classification; categorization; sorting
×2
回路
かいろ
1. circuit (electric) 2. cycle (e.g. Krebs cycle)
×2
側面
そくめん
1. side; flank; profile; sidelight; lateral 2. aspect; dimension
×2
担う
になう
1. to carry on one's shoulder; to shoulder; to bear 2. to bear (burden, responsibility, etc.); to take upon oneself
×2
詳細
しょうさい
1. details; particulars; specifics 2. detailed; specific; minute
×2
取り分け
とりわけ
1. especially; above all 2. inter alia; among others
×2
結び付ける
むすびつける
to combine; to join; to tie on; to attach with a knot; to bind (e.g. an address)
×2
保持
ほじ
retention; maintenance; preservation
×2
自己意識
じこいしき
self-consciousness
×2
連続
れんぞく
continuation; succession; series
×2
支える
ささえる
1. to support; to prop; to sustain; to underlay; to hold up; to defend 2. to hold at bay; to stem; to check
×2
理解
りかい
understanding; comprehension; appreciation; sympathy
×2
空間的
くうかんてき
spatial; space-like
×2
不可分
ふかぶん
atomic; indivisibility
×2
明らか
あきらか
1. clear; obvious; evident; plain; definite 2. bright; light
×2
齧歯類
げっしるい
rodent
×2
詳しい
くわしい
1. detailed; full; minute 2. knowing very well; knowledgeable (about); well-acquainted (with); well-informed (about); familiar (with)
×2
海馬
かいば
1. seahorse; sea horse 2. hippocampus
×2
皮質
ひしつ
cortex
×2
部位
ぶい
part (esp. of the body); region; site; cut (of meat)
×2
生理学
せいりがく
physiology
×2
賞
しょう
prize; award
×2
未踏
みとう
untrodden; unexplored
×2
昨年
さくねん
last year
×2
自我
じが
self; the ego
×2
成す
なす
1. to build up; to establish 2. to form; to become (a state)
×2
因み
ちなみ
1. association; link; connection 2. pledge (esp. for marriage); promise
×2
訳す
やくす
to translate; to interpret
×2
語源
ごげん
origin of a word; derivation of a word; etymology
×2
ラテン語
ラテンご
Latin (language)
×2
状態
じょうたい
state; condition; situation; appearance; circumstances
×2
指す
さす
1. to point 2. to nominate; to select someone; to specify some person
×2
絨毯
じゅうたん
carpet; rug; runner
×2
唯
ただ
1. ordinary; common; usual 2. free of charge
×2
部分
ぶぶん
portion; section; part
×2
模様
もよう
1. pattern; figure; design 2. state; condition
×2
太陽
たいよう
sun
×2
日差し
ひざし
sunlight; rays of the Sun
×2
奥
おく
inner part; inside; interior; depths (e.g. of a forest); back (of a house, drawer, etc.); bottom (e.g. of one's heart); recesses; heart
×2
纏わり付く
まとわりつく
to coil about; to follow about; to surround; to cling to
×2
富山大学
とやまだいがく
Toyama University (organization)
×2
井ノ口
いのくち
Inokuchi (place; surname)
×2
示す
しめす
1. to (take out and) show; to demonstrate; to tell; to exemplify; to make apparent 2. to point out (finger, clock hand, needle, etc.)
×2
複数
ふくすう
plural; multiple; several
×2
報酬
ほうしゅう
remuneration; recompense; reward; toll
×2
段階的
だんかいてき
incremental; step-by-step; gradual; stepwise
×2
選択肢
せんたくし
choices; alternatives; options
×2
もと
1. origin; source 2. base; basis; foundation; root
×2
合理的
ごうりてき
rational; reasonable; logical
×2
選択
せんたく
selection; choice; option
×2
結果
けっか
1. result; consequence; outcome; effect 2. coming to fruition; bearing fruit
×2
伴う
ともなう
1. to accompany; to go hand in hand with; to be consequent upon 2. to be accompanied by; to bring with; to take with; to be involved in
×2
示唆
しさ
suggestion; hint; implication
×2
固定
こてい
1. fixing (in place); being fixed (in place); securing; anchoring; fastening down 2. fixing (e.g. salary, capital); keeping the same
×2
倉庫
そうこ
storehouse; warehouse; godown
×2
付する
ふする
1. to affix; to append; to attach 2. to entrust; to refer; to handle (as such)
×2
内容
ないよう
contents; content; substance; matter; detail; import
×2
順序
じゅんじょ
order; sequence; procedure
×2
前後関係
ぜんごかんけい
context (of a passage)
×2
呼び戻す
よびもどす
1. to call (someone) back; to recall; to call home 2. to bring back (memories, etc.); to recall; to revive
×2
視点
してん
opinion; point of view; visual point
×2
過程
かてい
process; course; mechanism
×2
方向性
ほうこうせい
1. trend; course of action; direction 2. directionality; directivity; orientation
×2
物理的
ぶつりてき
physical
×2
切り捨てる
きりすてる
1. to cut down; to slay 2. to truncate; to round down; to round off
×2
独特
どくとく
1. peculiarity; uniqueness; characteristic 2. understood only by oneself
×2
奥行き
おくゆき
depth; length
×2
直感的
ちょっかんてき
intuitive
×2
判断
はんだん
1. judgment; judgement; decision; conclusion; adjudication 2. divination
×2
さえ
1. even 2. (if) only; just; as long as
×2
痕跡
こんせき
trace; vestige; mark; sign; evidence
×2
自ら
みずから
1. oneself 2. oneself; for oneself; personally; in person
×2
完全
かんぜん
perfect; complete
×2
言語化
げんごか
verbalizing; putting into words
×2
影響
えいきょう
1. influence; effect 2. to influence; to affect; to have an influence on; to impact; to have an effect on
×2
観点
かんてん
point of view
×2
尚且つ
なおかつ
1. besides; furthermore; on top of that 2. and yet; nevertheless; even so
×2
想定
そうてい
hypothesis; supposition; assumption
×2
能力
のうりょく
ability; faculty
×2
揺れ動く
ゆれうごく
1. to shake; to tremble; to sway; to flicker 2. to be unsettled; to be unstable; to fluctuate; to waver (e.g. between options); to vacillate; to seesaw
×2
未確定
みかくてい
unsettled; pending
×2
方向
ほうこう
1. direction; orientation; bearing; way 2. course (e.g. of action)
×2
不安定
ふあんてい
instability; insecurity; crankiness
×2
希薄
きはく
1. thin (e.g. air); diluted; sparse; lean; weak; rarified; rarefied 2. lacking (e.g. empathy); deficient; insufficient (e.g. zeal)
×2
或いは
あるいは
1. or; either ... or 2. maybe; perhaps; possibly
×2
膨大
ぼうだい
1. huge; vast; enormous; colossal; extensive; large 2. swelling; expansion
×2
生成
せいせい
creation; generation; formation; derivation
×2
集合
しゅうごう
1. meeting up; gathering; assembly 2. set
×2
言語
げんご
language
×2
統計的
とうけいてき
statistical
×2
出現
しゅつげん
appearance; arrival; make one's appearance
×2
頻度
ひんど
frequency (of occurrence)
×2
差
さ
1. difference; variation 2. difference
×2
恒常的
こうじょうてき
constant; invariable; chronic; everlasting
×2
滑らか
なめらか
1. smooth (of a surface); glassy; velvety; soft 2. smooth (of an action, proceedings, etc.); fluent (speech); fluid; trouble-free
×2
連なる
つらなる
1. to extend; to stretch out; to stand in a row 2. to attend; to participate in
×2
逡巡
しゅんじゅん
hesitation; indecision
×2
しゅん
1. season (e.g. fruit, fish) 2. in vogue; popular; fresh; up to date
×2
順
じゅん
1. order; turn; sorting 2. obedient; docile; submissive; meek
×2
立ち止まる
たちどまる
to stop (in one's tracks); to come to a stop; to halt; to pause; to stand still
×2
内部
ないぶ
interior; inside; internal
×2
組み込む
くみこむ
to insert; to include; to incorporate; to cut in (printing)
×2
詰まり
つまり
1. that is to say; that is; in other words; I mean; that (this, it) means 2. in short; in brief; to sum up; ultimately; in the end; in the long run; when all is said and done; what it all comes down to; when you get right down to it; basically
×2
変容
へんよう
change in appearance; transformation
×2
本質的
ほんしつてき
essential; substantial; substantive; intrinsic
×2
秩序
ちつじょ
order; discipline; regularity; system; method
×2
周囲
しゅうい
1. surroundings; environs 2. circumference
×2
戸惑う
とまどう
to be bewildered; to be perplexed
×2
履歴
りれき
1. personal history; background; career 2. log; record; history
×2
更新
こうしん
renewal; update; innovation; improvement
×2
瞬間
しゅんかん
moment; second; instant
×2
最適化
さいてきか
optimization; optimisation
×2
出力
しゅつりょく
output (electrical, signal, etc.)
×2
屡々
しばしば
often; again and again; frequently; repeatedly
×2
恰も
あたかも
1. as if; as it were; as though 2. right then; just then; at that moment
×2
印象
いんしょう
impression
×2
即する
そくする
to conform to; to agree with; to be adapted to; to be based on
×2
言葉遣い
ことばづかい
speech; expression; wording; language
×2
発言
はつげん
statement; remark; observation; utterance; speech; proposal
×2
踏まえる
ふまえる
1. to be based on; to take into account; to build upon; to have origin in 2. to have one's feet firmly planted on; to plant oneself on
×2
巧み
たくみ
skillful; adroit; dexterous; masterful; clever; ingenious; cunning
×2
模倣
もほう
imitation; copying
×2
主体
しゅたい
1. main constituent; core; nucleus 2. subject (philosophical); protagonist
×2
前提
ぜんてい
1. condition; assumption; prerequisite; hypothesis 2. intention; intent; aim; goal
×2
処理系
しょりけい
implementation; processor
×2
進化
しんか
evolution; progress
×2
問い直す
といなおす
to question again; to repeat a question (esp. a problematic point, or to verify understanding); to repeat a query
×2
正確
せいかく
accurate; correct; precise; exact
×2
迅速
じんそく
quick; fast; rapid; swift; prompt; streamlined; expedited; expeditious
×2
疲れ
つかれ
tiredness; fatigue
×2
現れる
あらわれる
1. to appear; to come in sight; to become visible; to come out; to embody; to materialize; to materialise 2. to be expressed (e.g. emotions); to become apparent (e.g. trends, effects)
×2
非効率
ひこうりつ
inefficient
×2
以前
いぜん
ago; since; before; previous
×2
証
あかし
1. proof; evidence; sign; testimony; vindication 2. certificate; license; membership card
×2
不器用
ぶきよう
1. clumsy; awkward; unskillfulness; lack of ability 2. tactless; awkward (e.g. socially); gauche
×2
宿る
やどる
1. to dwell; to live; to remain 2. to stay at; to take shelter at; to stop at; to lodge at
×2
脱稿
だっこう
finishing writing; completion of a manuscript
×2
大隅
おおすみ
Ōsumi (former province located in the east of present-day Kagoshima Prefecture, including the Amami Islands)
×2
典子
つねこ
Tsuneko (fem)
×2
発生学
はっせいがく
embryology
×2
多様性
たようせい
diversity; variety
×2
起源
きげん
origin; beginning; source; rise
×2
著書
ちょしょ
(written) work; book; writings
×2
自閉症
じへいしょう
autism
×2
障害
しょうがい
1. obstacle; impediment; hindrance; difficulty; barrier 2. handicap; impairment; disability; disorder; malfunction
×2
講談社
こうだんしゃ
Kodansha (publisher) (company)
×2
入門
にゅうもん
1. entering an institution; beginning training 2. primer; manual; introduction (to)
×2
創発
そうはつ
emergence (in evolutionary theory, systems theory, etc.)
×2
共編
きょうへん
joint editorship
×2
著
ちょ
1. work; book 2. (a book) by
×2
朝倉
あくひら
Akuhira (surname)
×2
書店
しょてん
bookshop; bookstore
×2
みたい
-like; sort of; similar to; resembling
×2
脳科学
のうかがく
brain science
×2
羊
ひつじ
sheep (Ovis aries)
×2
監訳
かんやく
supervising a translation
×2
扉
とびら
1. door; gate; opening 2. title page
×2
偏見
へんけん
prejudice; bias; distorted view
×2
差別
さべつ
1. distinction; differentiation; discrimination 2. discrimination (against people)
×2
対峙
たいじ
1. standing facing each other (e.g. mountains, buildings); standing opposite each other 2. confrontation; squaring off against (adversaries, armies, forces); standing off against; holding one's own with
×2
米国
べいこく
(United States of) America; USA; US
×2
国立
こくりつ
national
×2
財団
ざいだん
foundation
×2
長官
ちょうかん
secretary (government); director; chief
×2
務める
つとめる
1. to work (for); to be employed (at); to serve (in) 2. to serve (as); to act (as); to fill (the position of); to play the role (of)
×2
科学者
かがくしゃ
scientist
×2
東京
とうきょう
Tokyo
×2
化学
かがく
chemistry
×2
同人
どうじん
1. same person 2. said person; the person in question
×2
性差
せいさ
difference between the sexes; sexual difference
×2
生まれ付き
うまれつき
by nature; by birth; naturally; natural; innate
×2
国書
こくしょ
1. diplomatic message sent by a head of state; sovereign letter 2. book written in Japanese (as opposed to Chinese, etc.); Japanese book; national literature (of Japan)
×2
刊行会
かんこうかい
publication society
×2
令和
れいわ
Reiwa era (May 1, 2019-)
×2
年度
ねんど
1. fiscal year (usu. April 1 to March 31 in Japan); financial year 2. academic year; school year
×2
科学技術
かがくぎじゅつ
1. science and technology 2. scientific technique
×2
分野
ぶんや
field; sphere; realm; division; branch
×2
文部科学大臣
もんぶかがくだいじん
Minister of Education, Culture, Sports, Science and Technology
×2
表彰
ひょうしょう
public acknowledgment; public acknowledgement; public recognition; commendation; awarding