Published: 2025-06-19 18:01

【動画】大阪 堺 大山古墳の「副葬品」 小刀など発見と発表

仁徳天皇陵として管理されている大阪・堺市の大山古墳の副葬品とみられる小刀とかっちゅうの破片が見つかったと国学院大学の博物館などが発表しました。大山古墳の副葬品の実物としては唯一のもので、古墳の実態解明につながる貴重な発見として注目されます。

これは19日、国学院大学博物館と堺市博物館などが記者会見で明らかにしたものです。

堺市にある世界最大級の前方後円墳、大山古墳は世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」の構成資産の1つで、宮内庁が「仁徳天皇陵」として管理しています。

少なくとも3か所埋葬施設があるとされ、このうち、「前方部」にある石室からは明治5年の調査で石のひつぎやかっちゅうなどが見つかっていましたが、その後、埋め戻され、副葬品は当時作成された図面の写しでしか確認できない状態になっていました。 こうした中、国学院大学博物館が去年6月、古美術商から「刀子（とうす）」と呼ばれる長さ10.6センチのさやのついた小刀や、かっちゅうの破片を入手しました。

包み紙には「明治5年9月に仁徳帝の古墳の石室内から得られた」とする記述があったほか、当時、現場で調査を行い、図面を作成した人物の押印があることなどから、博物館は大山古墳の副葬品だと判断したとということです。

小刀はさやの中に鉄製とみられる刀身が残り、さやはひのきを銅板で覆った上で金のメッキが施されています。 X線による解析の結果、さやの5か所には銀製の「びょう」で留める、特別な細工が施されていることがわかったということです。 大山古墳の副葬品の実物としては唯一のもので、宮内庁の元・陵墓調査官で関西大学の徳田誠志 客員教授は「大王と関わりの深い人物に供えられた実物を研究できる意義は極めて大きく、多くの謎を持つ大山古墳の実態解明につながるのではないか」と話していました。

これらの資料は来月19日から堺市博物館で始まる企画展で展示される予定です。