Published: 2025-09-10 20:30

レクサスLSはメルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズとはやっぱり違う!!! 最新のLS500h “EXECUTIVE”が有する日本の高級車ならではの“個性”とは

熟成を重ねたレクサス「LS500h “EXECUTIVE”」に、『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキが乗った。知られざる改良点にも迫る！

【写真を見る】新しいレクサスLS500h “EXECUTIVE”の全貌（17枚）“和”なインテリアにも注目！

レクサスLSの最新モデルに、改めて乗った。

試乗したLSは、「LS500h “EXECUTIVE”」の2WDモデル。LSの中でも、装備が充実した豪華グレードだ。

あらためて見るLSは、低く構えたスタイリングが目をひく。2017年の登場から約8年を経たが、いささかの古さを感じない。これまでの4ドアセダンとは一線を画す斬新なクーペシルエットは今なお新鮮である。

とくに試乗車のボディカラー「銀影（ぎんえい）ラスター」は、美しさが際立つ。ただのシルバーと違い、光輝材（アルミフレーク）を含んだ塗料の体積を凝縮させる「ソニック工法」を応用し、蒸着アルミを高密度で敷き詰める塗装技術を採用。粒子感をほとんど感じさせない、鏡面のような滑らかさが特徴だ。

光によって、シルバーの色味が微妙に変わるのが面白い。リリースには「周囲の僅かな光も繊細にとらえ、時の移ろいや変化に呼応し、様々な表情を見せる特別なシルバーです」と、記されるが、まさにその通りだった。

ライバルのメルセデス・ベンツ「Sクラス」やBMW「7シリーズ」も、ボディカラーにこだわるものの、これほどこだわった“シルバー”はLSのみだろう。

エクステリアは、2020年の改良でフロントバンパーコーナー部に縦基調のキャラクターラインを配置し、オーバーハングが短く見える意匠としたり、小型3眼ランプユニットとL字を際立たせたクリアランスランプの下に、ブレードスキャンAHSを搭載した厚みのあるヘッドランプになるなど、手が加えられたものの、登場当初から大きな変更はない。当初のデザインが、高く評価された結果だろう。

インテリアではドアライニングに、プラチナ箔＆西陣があしらわれていた。西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きにより、月明りに照らされた波の揺らぎによる“月の道”を表現したそうだ。ちなみに“月の道”とは、月光が海に映り、細長い光の道が海面にあらわれることをあらわす。

メルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズ、アウディ「A8」などの欧州のプレミアムセダンも西陣を使った仕様はない。

これもLSならではの装備で、大きなアドバンテージでもある。

上記2車より優れているなと、思ったのは最新の音声認識機能。

22年の改良時、「Hey Lexus！」と、発話することで、スイッチ操作や音声認識機能の起動が可能となった。この認識性能が明らかにメルセデスやBMWより上だ。目的地が長く、かつ複雑な住所でも、ほぼ一発OK。メルセデスやBMWだと、最新モデルでもこうはなかなかいかない。もっともLSに限らずレクサス全車、音声認識機能の能力は極めて高い。

22年の改良時には、タッチパッドが廃止され、コンソール周辺の形状がリデザインされた。が、このデザインが賛否両論。

広々としたコンソールに、使用頻度の高いシートヒーター／シートベンチレーション／ステアリングヒータースイッチがこれみよがしに設置されたのだ。操作性は高いものの、「カッコ良くない」といった意見もチラホラ。個人的には、使い勝手が非常に良いので気に入っている。

この点は次期型があれば、デザインにも期待したい。