Published: 2025-03-11 18:38

【動画】押し寄せる津波 あの日の映像から いま何を学ぶ

14年前、大槌町にある赤浜小学校で、副校長だった岩切博文さんが撮影した津波の映像です。
今回、岩切さんは「津波などの災害は突然やってきてひと事ではなく、常に備えを心がけて欲しい」との思いから、NHKに映像を提供してくれました。

※動画には津波が押し寄せる映像が含まれます。

震災の発生当時、大槌町にあった赤浜小学校の副校長だった岩切博文さん（70）は、11日現地を訪れて避難の様子などについて話しました。

学校は地震が起きた時は授業中で、当時の津波浸水区域ではなく町の避難場所だったため、児童35人を含む住民およそ100人が、避難していたということです。

岩切さんは、地震と避難の様子を記録に残そうと、ビデオカメラで周囲を撮影していました。

岩切さんが撮影した映像では、午後3時10分すぎごろに校庭に避難した大勢の人が不安そうに海の方向を見ている様子が見られ、その10分後ごろから、黒い津波が校舎に迫り車が流されている様子なども見られます。

当時、マニュアルで決めていた校庭から高台に通じる出入り口には波が来ていて、とっさに声をかけ合い、海から離れた細い別の出入り口を使って避難したということです。

午後3時半前には、高台に児童たちが避難した様子と建物などが津波に流される様子が記録されています。 岩切さんは当時を振り返り「あまりの事態に現実感がなく、映画のようだった。助かったのは幸運だったと思う。児童が全員無事でよかったが、災害はいつ起こるか予想できない。人ごとだと思わず、想定外にも備えるという気持ちを持ってほしい」と話していました。 震災発生直後 東京 新宿駅での混雑も 東日本大震災で、首都圏で発生した帰宅困難者は内閣府によりますとおよそ500万人に上ったと推計されていて各地の駅が混雑したほか道路が人であふれました。

JR新宿駅の東南口で、14年前の3月11日、東日本大震災が発生した直後の午後3時半ごろに撮影された映像です。

車道や歩道のほか、橋の上まで集まった大勢の人で埋め尽くされています。

撮影した当時、都内に住んでいた長野市の女性（46）によりますと、商業施設の中を歩いていたところ大きな揺れに襲われ、しばらくしてから建物の外を出ると、多くの人が立ち止まって大型モニターに映された被災地の様子を見たり、携帯電話で情報を集めたりしていたということです。

女性は「東京の状況を友人や家族に報告するために撮影したもので、大切な記録になると思い、保存しておいた。電車も動かず行く当てもない人たちで埋め尽くされ、テレビの中継映像をぼう然と見つめていた。当時のことは14年たつ今でも忘れられない」と話していました。