Published: 2025-03-12 13:17

春闘って何？ことしのポイントは？【Q＆A】

集中回答日を迎えた2025年の春闘。
そもそも春闘って？ことしのポイントは？
記者がくわしく解説します。

春闘 集中回答日 賃上げの最新状況 満額回答相次ぐ Q.春闘とは何ですか？ A.春闘とは、多くの企業にとって新年度が始まる4月に向けて、労働組合が経営側と交渉することです。

賃金の引き上げや労働時間の短縮、育児や介護をしながらでも働きやすい仕組みづくりなど、労働条件や職場の環境改善について労使で話し合い、決定します。

大企業を中心に労働組合が要求書を提出するのが2月。

企業からの回答が3月ごろであるため春闘と呼ばれています。

労働団体の連合は「春季生活闘争」を正式名称としています。 Q.春闘はどのくらい前からあるの？ A.春闘のはじまりは1956年ごろと言われます。

その生みの親で、当時あった労働団体・総評で議長も務めた太田薫は「暗い夜道は怖いからお手々つないで歩こう」と語ったといい、労働組合が一斉に要求を提出することで経営側への交渉力を強めるねらいがありました。 Q.交渉はどのように進むの？ A.春闘では連合のほか、自動車や電機など産業別の労働組合が要求方針や目標を掲げます。

それをもとに労働組合は経営側と交渉を進め、大企業を中心に3月中旬、回答を一斉に引き出す「集中回答日」を迎えます。

その結果を参考としながら中小企業でも交渉が進んでいきます。 Q.労働組合のない会社は関係がない話なの？ A.春闘の結果は、労働組合がない企業でも賃上げの参考とすることが多いです。

法律に基づき国内のすべての企業が労働者に支払わなければならない賃金の最低額＝最低賃金の引き上げをめぐる議論にも影響を与えるため、とても重要です。 Q.ことしの春闘のポイントは？ A.去年とおととしの春闘では高い賃上げ率となり、その勢いを定着させられるかが焦点の1つです。

去年は5％台、おととしは3％台とおよそ30年ぶりの高い水準でした。

しかし、物価の高騰でその変動分を反映した実質賃金はマイナスが続いています。

これを継続的にプラスとするため賃金と物価の上昇の好循環につながる賃上げが求められています。

連合に加盟する2900あまりの労働組合の平均の賃上げ要求は、3月3日時点で6.09％と32年ぶりに6％を超え、大企業の間では「集中回答日」を待たずに高い水準で交渉が決着する動きが出ていました。

もう1つが大手と中小企業の格差是正です。

去年の賃上げ率は、連合の集計によると全体では5.1％でしたが、中小企業に限ると4.45％でした。

この0.65ポイントの開きは、連合が集計を開始した1989年以降で最も大きくなりました。

そこで連合はことしの春闘の目標を全体では5％以上としましたが、中小企業については6％以上、月額1万8000円以上の要求を掲げています。

連合が3月3日時点でまとめたところ、加盟する組合員300人未満の中小の1800余りの組合について平均の要求額は月額1万7667円、率にして6.57％でした。

中小企業で労働組合がどのような回答を引き出すことができるか、注目されます。