Published: 2025-05-13 05:19

消費税めぐり 自民は慎重意見根強く 野党は引き下げや廃止訴え

物価高を受けた経済対策としての消費税の扱いをめぐり、自民党内には、社会保障の財源だとして、執行部を中心に税率引き下げに慎重な意見が根強くあります。これに対し、立憲民主党など野党各党は、引き下げや廃止をそれぞれ訴えています。

物価高を受けた経済対策としての消費税の扱いは、夏の参議院選挙の争点の1つになる見通しです。

石破総理大臣は12日、国会で「将来の年金や医療がどうなるかということを話さないで、消費税の減税だけの話をするのは無責任な議論だ」と述べ、参議院選挙を前に税率の引き下げを打ち出すことに否定的な考えを示しました。

自民党内には、消費税の税収が社会保障や地方財政を支える財源となっていることや、法改正に時間がかかり物価高対策には適さないなどとして、執行部を中心に税率引き下げに慎重な意見が根強くあります。自民党は、厳しい財政事情を考慮しながら効果的な対策を検討することにしています。

これに対し野党側は、立憲民主党が、食料品の税率を原則1年間に限ってゼロ％に引き下げる方針を参議院選挙の公約に掲げるため、財源などの検討を進めています。辻元代表代行は12日の記者会見で「減税しない政党が責任政党ということ自体、ナンセンスだ。無策でいいのか」と批判しました。

さらに、日本維新の会、国民民主党、共産党、れいわ新選組などがいずれも税率引き下げや廃止を訴えています。

また公明党は、食料品を対象とする軽減税率の引き下げも含め、減税や給付の措置を議論しています。 年金制度改革関連法案 与党の了承得られしだい国会提出へ 一方、国会への提出が先送りされている年金制度改革関連法案について、自民党は13日、総務会などで審査を行います。

法案には、パートなどで働く人が厚生年金に加入しやすくなるよう「年収106万円の壁」と呼ばれる賃金要件の撤廃などが盛り込まれていますが、党内で反対意見があった厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする措置は見送られました。

政府は、与党の了承が得られしだい、法案を国会に提出することにしています。