Published: 2025-09-17 21:02

新型ハーレーダビッドソン ブレイクアウトが、“ちょっとクラシック、かなりモダン。”だったワケとは？

ハーレーダビッドソンの新しい「ブレイクアウト」に、河西啓介が乗った！ 人気モデルの進化はいかに。

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エンジンは1923ccのビッグツイン「ミルウォーキーエイト117」。2025年モデルでは味つけの異なる3タイプ（ハイアウトプット、カスタム、クラシック）が用意されたことがトピックで、ブレイクアウトには中間にあたる「カスタム」が搭載される。

とはいえ最大出力103HP、最大トルク168Nmというスペックは充分にパワフルで、このカスタムは低中回転におけるトルク重視のセッティングが施されているため、アクセルをガバっと開けた瞬間の加速が凄まじい。

前述したように体格的にややハンドルが遠いこともあって、不用意にアクセルを捻ると、思わず腕をもっていかれそうになることがあった。

もうひとつのトピックは、ハーレーとして初採用の「ライディングモード」だ。ロード、スポーツ、レインの3モードを選ぶことで、エンジン特性やABS、トラクションコントロールの介入レベルが変化する。いまや多くのバイクに標準装備される機能だが、ハーレーに導入されたのは大きな革新だ。

ロードモードはもっともニュートラルで、大排気量らしくほんのわずかなスロットル操作でスムーズに速度を乗せることができる。スポーツモードに切り替えるとアクセルレスポンスがぐっと鋭くなり、低回転域からのトルクがよりダイレクトに伝わる。クラシックなスタイルの中に潜む“野性”を引き出すスイッチのようだ。

個人的にいちばん気に入ったのはレインモード。スロットル操作に対する応答が穏やかになり扱いやすさが増す。右手の動きに一瞬遅れて「ドドドッ」と、車体が押し出される、ややルーズな感じが却って心地良い。

極太リヤタイヤは見た目のインパクトこそ強烈だが、走らせてみると決して“曲がらない”わけでははない。21インチのフロントホイール、長いホイールベース、寝かされたフロントフォークにより直進性は高いが、後輪への荷重を意識すれば、思いのほか軽快に操ることができる。

乗り心地は、見た目のカスタム感から想像するよりずっとマイルドだ。リヤをリジッド風に見せるために隠されたサスペンションはストロークこそ短めだが、セッティングの妙で衝撃をうまく吸収してくれる。

チョッパースタイルにワイドなリヤタイヤという外観から、見た目や雰囲気優先のカスタムモデルという印象を持つが、最新モデルに乗ると確実に「走り」が進化していることを感じる。

見た目はクラシカルかつアイコニックに、走りはモダンで快適に。魅力を増した2025年版ブレイクアウトは、その人気をさらに高めそうだ。