Published: 2025-09-30 17:14

大阪市「特区民泊」 新たな申請の受け付け停止へ 苦情相次ぎ

外国人観光客の需要を背景に、大阪市で国の国家戦略特区を活用した「特区民泊」の施設が急増し、地域住民からごみや騒音などの苦情が相次でいることから、横山市長は30日、新たな事業申請の受け付けを当面、停止する方針を表明しました。いつから停止するかは今後、決めることにしています。

国の国家戦略特区に基づく「特区民泊」は、大阪市では2016年に導入されました。

通常の「民泊」とは異なり、年間の営業日数の制限がなく、通年営業ができるといった利点があることなどから、外国人観光客の需要を背景に大阪市内で大きく増え、8月末時点で全国のおよそ9割にあたる6853施設が認定されています。

しかし、地域住民からは、騒音トラブルやごみの不適切な処理、それに事業者に連絡が取れないなど苦情が相次いでいます。

これを受けて大阪市は30日、「特区民泊」に関するプロジェクトチームの会議を開き、横山市長は、課題の解決や制度の見直しなどに集中して取り組む必要があるとして、事業者からの新たな申請の受け付けを当面、停止する方針を表明しました。

いつから停止するかについては、一定の周知期間が必要だとしていて、市の方針を11月に開かれる国の会議までに決めることにしています。

このほか、すでに認定した事業者については「チェック体制」を強化し、今後、専用のチームを新設して苦情対応にあたるほか、事業者に書面で管理体制を確認する調査を行うとしています。

会議のあと、横山市長は「特区民泊に対する監視・指導体制の強化や、必要な制度改正がまだ整っていない状況で、まずは新規受け付けを停止する。その上で必要な対策を早急に取っていきたい」と述べました。