Published: 2025-03-10 07:10

オリックスは、Bクラス・5位から巻き返せるのか？──堤伸輔の宮崎キャンプ訪問記2025

プロ野球・オリックスが春季キャンプを行う宮崎を堤伸輔が今年も訪問。国際政治を専門とする編集者・コメンテーターが、なぜキャンプ地を取材するのか？ オリックス愛に溢れる濃密なリポートをお届けする。

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3連覇からBクラス・5位へ。パ・リーグの盟主への道を歩むかに見えたオリックス・バファローズは2024年シーズン、大きく沈んだ。ちょうど1年前、宮崎キャンプを訪ね、ブルペンで目にした投手陣の充実ぶりからリーグ4連覇に寄せた私の期待は外れた。

今季は巻き返せるのか──キャンプをまた見ようと考えたのには理由がある。初めてオリックスのキャンプを取材したのは2000年だった。当時の球団名はブルーウェーブ。宮古島の地で、日本のプロ野球ではファイナルシーズンを迎えることになるイチロー選手を追いかけ、仰木彬監督（当時）もインタビューした。そのまま翌年からはメジャーリーグの取材をするようになって25年経つのだが、オリックスはキャンプ地が宮崎に移ってからもずっと注目してきたチームであり、今季の戦いぶりでその底力が試されると思ったからだ。

期待は外れたと書いたが、昨シーズンも投手陣は頑張った。シーズン中に故障者は相次いだものの、メジャーへ移籍した山本由伸の穴を埋め、リーグ上位の結果を残したからだ。

近年、成績を評価するのにWAR（Wins Above Replacement）という指標が使われる。わかりやすく言うと、その選手（たち）が出場したことでどれだけの「勝利数」が上積みされたか──を表す数値だ。計算方法は発表者によって微妙に違うが、私の手もとにある数値（株式会社DELTA発表）では、オリックス投手陣全体の昨季WARは15.6と12球団でトップ。日本シリーズを制した横浜DeNAベイスターズが7.5（10位）だから、オリックスは投手陣の力でDeNAより8勝以上勝ったことになる。もちろんパ・リーグ優勝の福岡ソフトバンクホークス（13.2/3位）よりも上だった。

にもかかわらず、なぜリーグ5位？ おそらく理由はひとつではないが、端的に言えるのは野手陣の不振だ。こちらのWARには打撃だけでなく守備や走塁なども反映される。ソフトバンクが38.1、北海道日本ハム・ファイターズが20.1とリーグ上位のチームが大きな数値を叩き出したのに対し、オリックス野手陣は6.0。12球団で下から2番目に低迷した。