Published: 2025-04-10 20:30

「これはエンスーだよね」──新型ダイハツ アトレー・デッキバン試乗記

ダイハツの新型「アトレー・デッキバン」に今尾直樹が試乗した。ビジネスにもレジャーにもピッタリな軽自動車の実力に迫る！

【写真を見る】アトレー・デッキバンの全貌（15枚）

ダイハツが軽ワンボックス商用車のハイゼットに、デッキバンという不思議なモデルを設定したのは1980年代の後半のことだった。

私は当時、渡辺和博さん（イラストレーター、漫画家、エッセイスト）から「これはエンスーだよね」と、教えてもらって、その存在を知った。

ハイゼット・カーゴのリヤクオーター部分をカットし、“4人乗りのキャビン＋小さな荷台”につくり変えたデッキバンを街で見かけると、あれから40年近くも経ったいまもそのことを思い出す。

アトレー・デッキバンは、その最新モデルのハイゼット カーゴ・デッキバンの最上級仕様である。アトレーは、もともとハイゼットのレジャー用の乗用5ナンバーモデルだったけれど、現行型では後席の居住性より荷室の広さを優先した、商用（貨物）4ナンバーの自家用、レジャー向けに位置づけられている。4ナンバーは、車検が初回から2年毎になる一方、自動車税が軽乗用5ナンバーの半分以下の5000円になるなどの税制上のメリットもある。

最新モデルといっても、全面改良を受けたのは2021年12月だから、特に新しいわけではない。とはいえ、筆者にとってデッキバンの試乗は初めてなので、興味津々なのだった。果たしてデッキバンは乗ってもエンスーなのだろうか？

RWDとパートタイム4WD、駆動方式には2タイプあって、「オフビートカーキメタリック」というデッキバンの専用色をまとった試乗車は後者だった。

パートタイム4WDといっても、RWDと4WDの切り替えができる電子制御式で、ダッシュボードのスイッチで4WD AUTOを選ぶと、状況に応じた駆動力配分をしてくれる。基本的に後輪が滑ると、前輪へのトルク配分が大きくなる。ギアボックスは軽キャブオーバーの後輪駆動車としては初のCVTを採用している。