Published: 2025-04-12 09:01

大阪・関西万博『シグネチャーパビリオン』見どころ詳細ガイド

世間に漂う懐疑的な空気が払拭されないまま、大阪・関西万博がまもなく開幕する。空気を読まない『WIRED』日本版は、8つのシグネチャーパビリオンのうち、とりわけ「テクノロジー×カルチャー」の要素が色濃い4つのパビリオンの見どころをお届け！

【写真20点】各シグネチャーパビリオン内部の様子はこちら

いよいよ4月13日（日）から、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げた「2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）」が、184日間にわたって大阪・夢洲で開催される。しかし開幕前から──何なら開催が決まった7年前から──「いまさら万博？」「どうせ既得権益組がしゃしゃり出て、結局、形骸化するんでしょ？」「今回はどこの誰が中抜きするわけ？」といった懐疑的・冷笑的なムードが漂い、さらには準備の遅れやら不手際やらが追い打ちをかけ、とても「いのち」や「未来」を語らい合うムードが醸成されているとは言い難い状況のまま、今日に至っているのはご存知の通り。

そんななか本稿では、今回の万博を象徴する「大屋根（リング）」の中心軸に位置する8つのシグネチャーパビリオンのうち、「テクノロジー、アート、デザイン、建築」と「生命観」が斬新に結びついた4つのパビリオン──アニメーション監督／メカニックデザイナー／ビジョンクリエイター・河森正治の「いのちめぐる冒険」、メディアアーティスト／研究者・落合陽一の「null²（ヌルヌル）」、ロボット研究者・石黒浩の「いのちの未来」、データサイエンティスト・宮田裕章の「Better Co-Being」──の概要を、お伝えしたいと思う。

コンセプトや体験のユニークさ、あるいは最先端技術の意義、そして生命観との結びつき……。それらを探り当てながら、「テクノロジー×生命」という切り口でもって提示された「未来への視座」を整理してみることは、きっと、批判と期待が交錯する今回の万博の真価を、みずからの価値基準で判断するひとつの機会になるはずだからだ。

というわけで、早速スタート。