Published: 2025-09-09 20:30

古き良きハーレーの進化とは？ 新型ヘリテイジ クラシックに迫る

ハーレーダビッドソンの進化した「ヘリテイジ クラシック」の魅力とは。河西啓介がリポートする。

【写真を見る】新型ハーレーダビッドソン ヘリテイジ クラシックの全貌（14点）

長く愛され続けるブランドを表現するとき、必ず語られるフレーズが“伝統と革新”だ。ブランドのコアを守り続けつつ、常に変化し続けること……。

創業120年を超えるハーレーダビッドソンのモデルにおいて、その伝統と革新をもっとも感じるのがヘリテイジ クラシックである。

名前のとおり、見た目の印象を一言で表すなら“クラシック”。誰もがイメージするであろう、古き良きハーレー像がそこにある。

スポークホイールにディープフェンダー、丸いヘッドライト、大きなウインドシールド、クロームメッキの丸いエアクリーナーカバー、左右に備わるサドルバッグ……。

ビンテージ感あふれるスタイルゆえ、毎年モデルチェンジを重ねるハーレーのラインナップにあって常に上位の人気を誇ってきた。

今回、2025年モデルに試乗する機会を得たが、より強く感じたのは“革新”だった。従来のヘリテイジ クラシックから大きく進化しているのだ。

外観については全体の意匠は変わらないが、細部の変更によりカスタム色が濃くなった。チューブレスタイヤ対応となったスポークホイール、LED化され洗練されたデザインになったライト類、ブラック塗装で統一されたフロントフォークやマフラー。従来のヘリテイジ クラシックといえば、輝くクロームパーツが華やかな印象だったが、2025年モデルはクールでモダンな雰囲気に刷新された。端的に言えば「今っぽく」なっているのだ。

エンジンもまた大きな進化ポイントだ（これは2025年モデル全体に共通する変更でもある）。

ヘリテイジ クラシックに積まれるのは「ミルウォーキーエイト117」で、排気量は従来の「114」に比べ55ccアップの1923cc空冷Vツイン。さらに117にはチューニング違いで「ハイアウトプット」「カスタム」「クラシック」という3タイプが用意され、ヘリテイジ クラシックにはもっともマイルドな「クラシック」が採用されている。

とはいえ、排気量1923ccから繰り出される91HP、156Nmのパワーとトルクは強大である。326kgの車体を1.5リッタークラスの自動車並みのトルクで走らせるのだから、その力強さは容易に想像がつくだろう。