Published: 2025-02-27 20:26

保険証 免許証 更新手続き…担当記者がギモンを取材【QAで】

保険証だけでなく3月下旬からは免許証も一体化されるマイナンバーカード。
いまや8割近い人たちが持っていますが、まだ分からないことはないでしょうか？
みなさんの疑問や質問を私が取材してお答えします。

そもそもマイナンバーカードって？ マイナンバーカードとは、住民票をもつすべての人に付与された12桁のマイナンバーが記載された顔写真付きのカードです。本人確認用の証明書やオンライン上での行政サービスなどに利用でき、申請をすれば、無料で交付されます。取得するかどうかは任意です。

デジタル庁によりますと、去年12月末時点で、全人口の77.1％が所有しているということです。

マイナンバーカードの有効期限は10年です。10回目の誕生日までに（未成年者の場合は5回目）、カード自体を更新する必要があります。改めて写真撮影なども行う必要があります。

ただ、加えて発行から5回目の誕生日までにカードに搭載された電子証明書の更新も必要です。

どちらの更新時も、本人確認を厳格に行うため、原則、自治体の窓口などを訪れる必要があります。 みなさんからの疑問・質問 取材しました Q.10年で再発行の際、即日発行は？時間がかかるなら、免許証や保険証に空白ができるのでは？ 国などに取材すると、「期限内に更新すれば原則空白は生じない」ということでした。

もう少し詳しく説明すると、「更新の流れ」としては、はじめにカード自体の有効期限となる、10回目の誕生日の2、3か月前をめどに更新の通知書が届きます。その案内に従って、スマホやパソコン、郵送などで、更新の申請を行います。すると、1か月ほどで市町村から「交付通知書」が届きますので、これらを持って、自治体の窓口にカードを受け取りに行くことになります。古いカードはその際に返却するという流れです。自治体の混雑状況などによっては申請から交付までに2か月程かかるとお知らせしているところもあります。国も、更新の通知書が届いてから早めに申請するのが望ましいとしています。

また、保険証と一体化した「マイナ保険証」については、電子証明書の有効期限が切れたあとも、一部の機能を除き保険証としては3か月間は使うことができるということです（厚生労働省への取材）。この間に、更新されなかった場合は、各保険組合などから、「資格確認書」が自動で交付されることになっているということです。

ただ、3月から始まる「マイナ免許証」については少し注意が必要かもしれません。現状では、マイナンバーカードを更新した場合、一体化していた運転免許証の情報は受け継がれません。そのため、警察署などであらためて一体化の手続きをする必要があります。

具体例をあげると、マイナ免許証しか持っていない方が更新したマイナンバーカードを受け取るために市役所まで運転する場合、行きは運転することができますが、新しいカードを受け取った帰りは運転免許証の情報が削除されているため、運転することはできません。

一方で、仮にマイナンバーカードや電子証明書の有効期限が切れても、免許証が有効期限内であれば運転はできます。ただし、オンラインでの講習手続きなどはできません。 Q.マイナ運転免許証を紛失したら、免許証は仮発行？紛失したらどうやって本人確認？ 免許証と一体化させたマイナンバーカードを紛失した場合は、2枚の本人確認書類、つまりマイナンバーカードと運転免許証を紛失したことになります。そのため自治体と警察署などの2か所で手続きが必要です。

その場合、まず自治体の窓口でカードの再発行を行います。提示する本人確認書類としてはパスポートなど（顔写真付きの本人確認書類は1点、その他は2点。例えば健康保険証＋年金手帳など）が必要となります。再発行には1週間程度かかるとされています。

そして、再発行後に改めて、警察署などで免許証と一体化する手続きが必要となります。警察によると、マイナ免許証しか持っていない場合は、この間に運転すると、免許証不携帯のため交通違反に問われるということです。

なお、マイナ免許証の取得はあくまで任意です。

従来の運転免許証であれば免許センターなどで手続きを行えば原則、即日再発行されるそうなので、最寄りの警察などに相談してみてください。 Q.公金受取口座をひも付けしたのは、なんのため？ 国は、「緊急時の給付金などを迅速に支給するため」としています。マイナポイント事業の際にマイナンバーカードを作った方の中には、公金受取口座の登録をした方も多いかと思います。この点を詳しく解説します。

これは国民が金融機関に持っている預貯金口座を1人一口座、デジタル庁に登録する仕組みで、口座の登録は任意だということです。事前に口座を登録することにより、緊急時の給付金や児童手当や年金、所得税の還付金などを受給する際に必要だった通帳の写しの添付といった手続きが省略できるとしています。実際に、自治体の担当者に話を聞くと、手続きにかかる時間が数週間短縮されていると話していました。 Q.発熱症状で内科に電話をした時「車の中で、保険証と診察券を用意して」と言われました。マイナ保険証しかない場合、どう確認？ 医療機関のなかには、感染拡大防止のため発熱外来と通常の外来とで、受付の動線を分けているところもあります。

厚生労働省によると、こうしたケースに対応するため、去年秋から顔認証付きカードリーダーのほかに、医療機関や患者本人のモバイル端末を使って、マイナ保険証を読み取るという受付の方法も導入されています。

実際に去年12月に取材した薬局では、発熱患者に駐車場などで待機してもらい、そこに薬剤師が持ち運びができる専用の端末を持って行き、受付を行っていました。

一方、そうしたシステムが導入されていない医療機関では、マイナ保険証と一緒に「資格情報のお知らせ」や「マイナポータルの画面」の提示を求めるケースや、従来の健康保険証の持参を求めるケースもありました。 Q.更新手続きの時、窓口で4桁の暗証番号と6桁の確認番号を書くよう求められました。紙媒体への記載と職員が確認するというのは、どういうことか不安。 総務省に更新時の手続きについて取材しました。まず、本人が窓口を訪れ更新を行う場合は、原則は申請者本人が専用の端末に暗証番号を入力することになっているということです。

ただ、暗証番号の設定が困難な場合については、職員が操作を支援し、やむを得ない場合は代行することになっています。

一方、代理人が申請する場合は、代理人が暗証番号の書類を提出し、職員が入力することになっているそうです。 Q.電子証明書の更新手続きをしなかった場合、単なる本人確認書類になってしまう？ その通りです。マイナンバーカードはカード自体の有効期限は10年ですが、カードに搭載されている「電子証明書」は、発行から5回目の誕生日までに更新する必要があります。

これはオンライン上の行政手続きなどで使うもので、電子証明書が失効すれば、e－Taxでの確定申告やマイナポータルへのログイン、コンビニでの住民票の写しの交付などの、サービスは使えなくなります。

一方で、マイナンバーカードの発行を行う団体によりますと、カード自体の有効期限内であれば、引き続き本人確認書類として使えるということです。 Q.マイナ免許証では、自動車保険の「ゴールド免許特約」の場合どう証明？ 国や損害保険の団体に取材しました。マイナ免許証の場合、有効期限や種類などの情報はICチップに書き込まれるため、従来の免許証のように、券面上でそれを確認することはできません。

警察庁もマイナ免許証の運用が始まる3月24日までに、読み取りに必要な専用のアプリをあわせて用意する予定だということです。 Q.いろんな機能を統合すると、紛失した場合などにセキュリティが不安。 国に取材すると、マイナンバーカードは、暗証番号がなければ情報を引き出すことはできず、
▽顔写真が付いていて他人が使うのは困難であることや
▽暗証番号を一定数間違えた場合ロックがかかり、本人が手続きしないと解除できないようになっているため、セキュリティーレベルは高いということです。

また、マイナンバーカード自体には、税や年金、病歴などのプライバシー性の高い情報は記録されていません。

ただ、万が一、紛失した場合は、国が設置している専用のコールセンターに利用停止の連絡をしてください。番号はマイナンバー総合フリーダイヤル：0120－95－0178です。

保険証などと一体化されたマイナンバーカードを紛失すると、複数の本人確認書類を紛失することになるため、さまざまなカードが入った財布を落とすのと同じです。再発行などの手続きも決して楽ではありません。

そもそもマイナンバーカードの取得や、保険証や免許証との一体化はいずれも任意ですので、メリットとデメリットをよく考え、それぞれ判断することが大切だと思います。

（2月27日ニュースーンで放送） ニュースポスト あなたの声で、動き出す 情報はニュースポストまで 私たちは、このマイナンバーカードなどについて引き続き取材します。ぜひみなさんからの情報をこちらまでお寄せください。