Published: 2025-02-11 21:50

スバル・インプレッサは、良くできた実用車だ!!! 進化した最新モデルの実力に迫る

一部改良で進化したスバルの「インプレッサST-H」に、小川フミオが乗った！

【写真を見る】337万1500円のインプレッサST-Hの細部（18枚）

スバルの一部改良を受けたインプレッサST-Hに、2025年2月に乗った。やや忘れていても、実はイイモノ……というのがクルマの世界にもある。インプレッサはまさに、それ！ と、想わせる出来だ。

インプレッサは、全長4475mmと、扱いやすいサイズの4ドアハッチバック。2.0リッター水平対向ガソリンエンジンを搭載する。標準のガソリンエンジンの「ST」と、マイルドハイブリッド「e-BOXER（イーボクサー）」の「ST-G」と「ST-H」が選べる。

現行インプレッサが登場したのは、23年4月。SUVが販売の趨勢を占めていくなかで、車型はハッチバックのみにしぼられ、エンジン排気量は2.0リッターに限定された。

ルーフラインが後ろにいくにしたがって下降する、ちょっとクーペライクなボディデザイン。実用一辺倒でなく、適度なパーソナル性を感じさせるのも、おおきな特徴だ。

今回乗ったのは、「e-BOXER」搭載モデル。2リッターエンジンにスタータージェネレーターモーターを組み合わせ、発進時や加速時にトルクの上乗せをする機構をもつ。

エンジンの最高出力は107kW、最大トルクは188Nm。それにモーターが10kW、65Nm。変速機はマニュアルモード付きリニアトロニックで（マニュアル変速機の設定はなし）、試乗車は、全輪駆動システムを搭載していた。トップグレードだ。

インプレッサST-Hのよさは、さきに触れたように、サイズとデザイン。加えて、ナチュラルと表現したくなる操縦感覚だ。発進加速は、モーターが働くので、実にスムーズ。

足まわりの動きは、車体の姿勢をフラットに保ちながら、路面の凹凸をきれいに吸収してくれる。室内での騒音レベルは低い。乗っていて、意外なほどといってはなんだけれど、上質感がある。モーターをうまく使った加速とあわせて、クルマのクオリティを高めている。

ステアリングホイールを操作したときの感覚も良い。やたらクイックな設定でなく、操舵量とクルマの動きがシンクロ。おだやかで、落ち着きがあり、私には好ましく感じられた。

インプレッサというと、かつての「WRX STI」といったスポーツモデルの印象がある。けれど、最新モデルはパワフルさでなく、高剛性ボディ、広めの室内のパッケージング、安全装備をふくめた運転支援システムを充実させているのが特徴だ。

1995cc4気筒水平対向ガソリンエンジンは、スバルの自家薬籠中のもの。全輪駆動システムを設定しているのも、電気モーターを使わずに、機械式のプロペラシャフトで後輪へと駆動力を伝えるシステムにこだわるのも、スバルならではの考え方だ。

スバルが自社製品に込めた機能価値として「安全性」「走破性」そして「耐久性」がある。機械式AWD（全輪駆動）も、耐久性の面で重要な役割を果たしているはず。

オフロードでの走破性は、今回試すチャンスがなかった。このクルマを手にいれて、長い間付き合ってこそ、本当の価値がわかるだろう。そこはオーナーにとってのたのしみになるはず。

燃費は、リッターあたり16.6km（WLTCモード）と発表されている。価格は、¥3,371,500。

同じマイルドハイブリッドのパワートレインとAWDシステムを搭載した「インプレッサST-G」（¥3,314,670）に対して、以下が標準装備となる。

ダークメタリック塗装と組み合わせた切削光輝アルミホイール、ダークグレー塗装のフロントパンバー、フルLEDヘッドランプとコーナリングランプ、運転席10ウェイ＋助手席8ウェイ電動シート、LEDリアゲートランプ、リバース電動アウトサイドミラー、ステアリングホイールヒーター、ブラック／グレーの本革シート、前席シートヒーター。加えてスライディングルーフがオプションで選べるのは、このST-Hのみだ。