Published: 2025-06-12 20:37

日本学術会議 会長「修正なしで法律 可決成立は非常に残念」

日本学術会議を国から独立した法人とするための法律が今の国会で可決・成立したことを受けて、日本学術会議は12日、「原案のとおり可決され、修正には至らず非常に残念だ」などとする会長談話を発表しました。

日本学術会議を国から独立した法人とするための法律は、11日の参議院本会議で可決・成立し、来年10月、特殊法人としての新たな学術会議が発足することになりました。

これを受けて、日本学術会議の光石衛会長は12日、会長談話を発表しました。

談話では「会員任命拒否問題など信頼関係が損なわれた中で議論が始まり、学術会議の独立性を損なうのではないかという懸念が払拭（ふっしょく）されないまま法案が国会に提出された。法案は原案のとおり可決され、修正には至らず、国会において学術会議が示してきた懸念に関する審議が行われていただけに非常に残念だ」などとしています。

また、政府に対して学術会議の独立性や自主性、自律性を尊重することなどを盛り込んだ国会の付帯決議について「政府と学術会議の関係のあり方において極めて重要なものと受け止めており、政府は内容を遵守して対応することを強く求める」などとしています。

そして、特殊法人としての学術会議の発足に向けて、光石会長は12日の会見で「規則を作るなど、やらないといけないことをみずから主導して行う。学術会議の理念や使命が変わらずに存続すると宣言し、文化や平和を念頭に準備していきたい」と話していました。