Published: 2025-06-12 09:10

米 中東で大使館職員退避準備か トランプ大統領「通告出した」

アメリカが、イラクにある大使館の一部の職員の退避を準備していると、ロイター通信が報じました。イランをめぐり中東地域の緊張がさらに高まるおそれがあることが背景にあるとみられます。

ロイター通信は11日、関係者の話として、アメリカがイラクにある大使館の一部の職員の退避を準備していると報じました。

また、ヘグセス国防長官が中東各国に駐留する軍関係者の家族の自主的な出国を承認したとも伝えています。

中東で職員の退避が行われるという報道について、トランプ大統領は11日、記者団に対し「危険な場所になる可能性があるから退避させる。どうなるかみてみよう。退避の通告を出した」と述べました。 中東では、アメリカがイランと核開発をめぐる協議を続けていますが、トランプ大統領は11日、公開された音声配信の中で「自信がなくなってきている」と述べ、難航しているという見方を示しました。

トランプ大統領はこれまで、協議に進展がみられない場合、イランへの攻撃の可能性も示唆していて、さらに、イスラエルがイランの核施設への攻撃準備を進めているとも伝えられています。

これに対し、イランは攻撃を受けたら報復するとしていて、中東地域の緊張がさらに高まるおそれがあることが背景にあるとみられます。

一方、報道を受けて、11日のニューヨーク原油市場では、原油価格の国際的な指標となるWTIの先物価格は、ことし4月上旬以来となる一時1バレル＝68ドル台半ばまで上昇しました。 イラン アメリカ側に冷静な対応呼びかけ イランの国連代表部は11日、SNSへの投稿で「圧倒的な力による脅しは現実を変えない。イランは核兵器を求めておらず、アメリカの軍国主義は不安定さを助長するだけだ。軍国主義ではなく外交だけが前に進む道だ」として、アメリカ側に冷静な対応を呼びかけました。