Published: 2025-08-29 17:42

“都と近隣県間の行政サービスに格差” 3県知事が国に是正要望

財政状況の差によって、東京都と近隣県との間で行政サービスに著しい格差が生じているとして、千葉、神奈川、埼玉の3県の知事が国に対し、財源の確保や税収の偏りの是正などを要望しました。

東京都は、今年度中に0歳から2歳までの第1子の保育料や、夏の時期の水道基本料金をいずれも無償化するなど独自の施策を次々に打ち出していて、近隣の県からは、都との間で生じる行政サービスの格差を懸念する声が高まっています。

こうした状況を受けて、千葉、神奈川、埼玉の3つの県の知事が29日、財務省と総務省を訪れ、横山信一 財務副大臣と村上誠一郎 総務大臣に要望書を手渡しました。 要望書では、「高校授業料の実質無償化には進展が見られるものの、東京一極集中が続く中で、子ども施策をはじめ都と周辺自治体の地域間格差がもはや見過ごせない水準にまで拡大している」などと訴えています。

その背景に、財政状況の違いを指摘した上で、安定した財政運営に必要な地方一般財源の確保や充実、拡大しつつある自治体間の税収の偏りや財政力の格差の是正に向けた適切な措置を、国が早急に講じるよう求めています。 千葉県 熊谷知事「都と3県とでは住民サービスに大きな差」 要望のあと取材に応じた千葉県の熊谷知事は、「都と3県とでは住民サービスに大きな差が生じているうえ、このままでは地域の医療や福祉が成り立たなくなりかねない状況だ。できるかぎり早く是正できるよう、今後もしっかり訴えたい」と話していました。 小池都知事「東京が全国を動かしていく」 都道府県ごとの財源の格差の是正を求めて3県の知事が国に要望したことについて、東京都の小池知事は、「都の税収1兆4000億円が召しあげられ、全国に配られているのが現状。地方自治は何を優先するかが課題で、東京が全国を動かしていくという役割は大きい。日本の競争力を確保するためにも首都圏が元気で、全体が元気になるような形、それを東京がひっぱっていく」と述べました。