Published: 2025-09-10 08:03

エルメスからプラダまで、2025-26年秋冬で買うべきアウター、シアリングとエコファー6選──特集：ファッションの“いま”知る10のこと

近年のレザーウェアは、自然環境に配慮したもの作りが主流になっている。そんな中、人工皮革と並び、多くのブランドから登場しているのがシアリングを駆使したアイテム。“Shearling＝毛を刈り込んだ羊毛”の意で、切り揃えなどしつつ皮についた毛をそのまま生かしているため、ファーでありながらも革としてもカテゴライズされる。食用羊の二次的産物を活用しているので、動物素材でありながらエコロジカルな素材なのだ。今季は、毛足の長いファーからボリューム感のあるシアリングまで多彩な顔ぶれとなっており、クラフツマンシップが冴え渡るラグジュアリーな逸品が出揃った。

【写真を見る】ファーの艶やかさとシアリングの柔らかさ。シルエットもスタイルも多彩に揃う注目素材だ。

イヴォワール（アイボリー）カラーのモヘヤファーで仕上げたコートは、モヘヤ90%というラグジュアリーな逸品。ファーは、毛足の長いモヘア繊維を編み上げる技法で仕上げているため、密度が高く重厚感があり、抜群の暖かさと風合いを兼ね備えている。新しいライン「プティ・ポール」は、従来の「ポール」ラインのコートに比べてショート丈となり、より軽快でモダンな快適さのあるシルエットに仕上がっている。フロントボタンはすべてバッファローホーンを採用するなど、ディテールへのこだわりもエルメスならでは。

大胆かつグラマラスなシアリングが強烈なインパクトを放つエレガントなブラウンウールコート。こちらは、2025年秋冬シーズンにプラダが掲げるテーマ「Unbroken Instincts（不屈の本能）」を象徴するかのような、本能的に引き裂いたようなシアリングデザインがポイント。クラシックな中にもエレガントさを内包したデザインコートとシアリングが融合することで、モードな存在感がより際立っている。

「二元性」や「コントラスト」をテーマに掲げている今シーズンのサンローラン。シアリングカラーを採用したカーキのジップボンバージャケットは、ウェルトポケットを筆頭に、ヴィンテージ感の漂うリブ編みトリムを各所に採用したクラフツマンシップ溢れる仕上がりとなっており、ソフトなフィット感も魅力。ラムスキンの表層部分を除去し、表面を起毛させることによりカシミアのような上品で滑らかな手触りを実現している。