Published: 2025-04-02 12:03

新型ホンダ・プレリュード全貌判明へ　“デートカー”の復活は期待しかない！

今秋に登場予定の新型ホンダ「プレリュード」の、内外装が明かされた。実車を見た、小川フミオがリポートする。

【写真を見る】新型プレリュードの全貌（21枚）

ホンダが、2025年秋に発売予定の新型プレリュードのプロトタイプを公開した。25年3月に披露された新世代プレリュードは、ほとんどふたり乗りというスタイリッシュなクーペで美しい。SUVに食傷気味のクルマ好きは注目してほしい。

19インチのロードホイールと組み合わせた235/40のタイヤが、薄く見える流麗なボディとともに、躍動的な印象を与えるプレリュード。オーソドックスなクーペの魅力を追求したデザインは、高く評価したい。

「プレリュードとしては第6世代になりますが、デートカーとして人気を集めた第2世代（82年〜87年）のようなかつての焼き直しでなく、新しいことにチャレンジしよう！ と、企画しました」

四輪事業本部ものづくりセンターで開発責任者をつとめた山上智行LPL（ラージプロジェクトリーダー）は、披露の場で語った。

パワートレインの詳細は伏せられているが、エンジン＋モーターのハイブリッドになる。特に注目点は「クルマとの対話（シンクロ）を楽しむ」と、ホンダがいう「S＋シフト」の採用だ。

センターコンソール上シフターの横に設けられたS＋ボタンを押すと、「スポーツ」「GT」「コンフォート」と3つのドライブモードと連動し、それぞれのもっとも特徴とする要素を強調する機能だ。

スポーツモードに入れてS＋を起動させるとレスポンスとハンドリングとサウンドがさらに向上し、GTモードではレスポンスとサウンドとともにトルクフィールや乗り心地も向上、そしてコンフォートではトルクフィールと乗り心地のよさが強く感じられる、という具合。

「クーペの市場が、日本では年2〜3万台と、逆風にあるのは承知していますが、たのしいクルマを作りたいという社内の強い声に押されて、開発に踏みきりました」（山上LPL）

日本車のクーペというと、トヨタ「86」、スバル「BRZ」、それにマツダ「ロードスターRF」と、後輪駆動のスポーツクーペが主流だけれど、新しいプレリュードは前輪駆動。それでも、「シビック・タイプR」のシャシーをベースに使い、ホンダ流のスポーティさを追求しているそうだ。

「変速機はマニュアルではないけれど、マニュアル車から乗り換えても、これならマニュアルシフトはいらないな、と、思ってもらえることをめざしています」

ホンダでは、かつてプレリュードを好んだX世代（1960年代中盤から1980年代初頭までに生まれた世代）と、その子であるZ世代と、親子2代で乗れるクルマをめざしているという。このクルマでもって、今の若い人が、運転の他のシアを発見するといいだろうし、若い人を含めて、綺麗なクーペに乗っている姿を見るのはいいものだ。

スタイリングは、第2世代のBMW「8シリーズ」を思わせる流麗なプロファイル（側面）が印象的。ボディ外寸は公開されていないが、路上ではプレリュードだって、それなりに堂々として見えそうだ。8シリーズは独立したトランクを備えていたが、新しいプレリュードはハッチゲートをそなえたファストバック。

理由は、荷物を楽に積み込めるように、と、説明される。前席乗員の頭の上ぐらいまで届く大きな開口部が印象的だ。ウインドウノイズとかやや気になるが、そこは対策されるだろう。

日本市場が皮切りで、北米や欧州でも販売されるという。売れ行きがゆっくりでも、諦めいで、ずっと販売してほしい。できれば、もっとスポーティな（ルックスの）仕様もほしい。まだプロトタイプの段階だけれど、そんなふうに願いたくなるモデルだ。